44の音色、心の合奏
花園幼稚園合奏隊


2月11日、吹奏楽祭に出演
 

   ニコニコ笑顔で心はウキウキ、音楽で表現活動を楽しむ花園幼稚園(岡本福子園長)の子どもたち。5歳と6歳の園児44人で構成される合奏隊が2月11日、マティダ市民劇場で開催される全宮古吹奏楽祭に唯一の幼稚園として出演する。「子どもたちの心の共鳴を大切にしたい」と指導する先生たち。園児たちは晴れの舞台に向けて練習に励んでいる。(山下誠)




全宮古吹奏楽祭に出演する花園幼稚園合奏隊の園児たち=花園幼稚園
 

 大人顔負けのスティックさばきで気分はプロドラマー

 同園の音楽活動は、音楽を通して遊び仲間とともに、表現活動を楽しむことが狙いだ。園長である岡本さんの意思から取り入れられた。三歳児から鍵盤ハーモニカを習い、四歳児になるとメロディーを奏でる。五歳になれば打楽器に挑戦、そうして誕生するのが合奏隊だ。
 使う楽器は、鍵盤ハーモニカをはじめ、エレクトーンやティンパニ、木琴とドラムもある。園児たちはその楽器特有の音色で合奏、友達と共同で織り成すハーモニーの美しさに夢中だ。
 演奏中は常に体全体でリズムを取る愛らしい園児たち。エレクトーンを演奏する園児はひざを揺らし、鍵盤ハーモニカの園児は体を左右に動かしながらの演奏。アップテンポな曲に挑むドラム演奏の園児に至っては、大人顔負けの動きでスティックをさばく。「演奏技術ではない。音楽が好きで一生懸命な演奏だからこそ心に響くのでは」と園関係者は話している。


鍵盤ハーモニカの音色を合わせる女子園児

 そんな園児たちの合奏指導に当たるのが副園長の新城久恵さん、先生の伊波奈津子さんと伊計孝子さんの三人。新城さんは「たくさんの感動や認めてもらう体験、その機会を持つことが子どもを大きく、広く、深く育てていく魔法だと信じています」と話す。伊波さんと伊計さんも子どもたちの心の成長に期待し「常日ごろから、子どもたちの言葉には『ニコちゃん笑顔』、そして『みんなでひとつ』がある。合奏を通して、そんな子どもたちの心のつながりや思いやりを育てていきたいんです」という思いだ。
 三人の思いは子どもたちにも伝わり、その充実ぶりは子どもたちの内面からあふれ出る。演奏しているときの園児たちの表情は晴れやかで、頼もしい。演奏中、少し隣の友達が失敗しても「大丈夫だよ」と言わんばかりのアイコンタクトで周囲の大人を驚かせる。音楽活動を通して「豊かな心をはぐくむ」。そんな園の指導方針が、子どもたち一人ひとりにしっかりと行き届いている。
 伊波さんたちは、「子どもたちは聴いている人をワクワクさせたいっていつも思っています。吹奏楽祭に出て、お兄さんやお姉さんたちと一緒の舞台で演奏するということをうれしく思っているはずです」と語る。
 一つの曲を演奏し、聴いている人から拍手を受けると飛び切りの笑顔ではしゃぐ園児たち。吹奏楽祭の日を、心待ちしている毎日だ。
 二月十一日の吹奏楽祭は午後二時三十分に開演する。花園幼稚園の合奏隊は「栄光の架け橋」など二曲を演奏。演奏の技術は微力ながらも、音楽を愛する園児たちの心と姿勢は、会場の聴衆の胸に響くはずだ。
 合奏隊の園児たちは次の通り。(敬称略)
 【男子】▽美里琉斗▽岡村連太郎▽松川太洋▽村田幸司▽下地秀平▽川谷啓太▽太田永遠▽比嘉琉介▽美里健▽砂川卓也▽上原立輝▽与那覇拓▽池間穂高▽川満太樹▽下地琉盛▽國吉琉太▽上地夏輝▽大村海人▽上原有翔▽伊志嶺元隆▽本村優樹▽名嘉真康介
 【女子】▽新城十萌▽城間彩華▽下地優鈴▽本村和佳奈▽亀浜央圭▽島尻志麻▽平良璃温▽比嘉百▽冨永美羽▽松川美唯▽生島由梨▽與那覇あかり▽新垣穂乃佳▽砂川里歩▽下地涼加▽平良真紀▽金城華子▽島尻あかり▽吉原琴香▽神里朱琉▽松本瀬奈▽古堅梨子

「心の共鳴が大切」
副園長の新城 久恵さん
 


「合奏は仲間との心の共鳴」と話す新城さん
 自分の目で見て、耳で聴き、自分の手で触れ自分の心で思い、自分の頭で考える。そんな自分自身の躍動感の体験が、豊かな心を育て、より豊かな音楽の表現につながると思います。音楽表現の方法をたくさん知っていれば、心に感じた感動をより深く、ほかの人に伝えることができると信じています。
 音楽は言葉の違いを超えたコミニュケーションの手段。合奏は仲間との心の共鳴になり、子ども時代に、たくさんの感動とたくさん認めてもらう体験、ほめてもらう機会を多く持つことが、子どもを大きく、広く、そして深く育てていく魔法だと信じています。
 今年で、吹奏楽祭への参加は二回目。子どもたちにとっては、音楽を通したお兄さん、お姉さんとの交流の場であり、生演奏のダイナミックさを肌で感じることができる貴重なイベントになることは間違いありません。
 子どもたちは今、ワクワク感とドキドキ感で胸がいっぱいだと思っています。演奏技術は負けるけど、曲に心を込めることは負けません。
 ニコニコ笑顔で、楽しくきれいに、聴いてくれる人たちに「心がドキドキ、ワクワクすると思われるような演奏をしたい」と子どもたちは思っているはず。吹奏楽祭の会場で、子どもたちの演奏を楽しむとともに、子どもたちの成長を温かく見守り、励ましてあげてください。
 



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