パトロールに出発するメンバーら
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同隊のメンバーはPTAや学校職員ら百五十人がグループを組み、交代でパトロールを実施する。学校周辺を約三十分ほどかけて巡回している。
結成のきっかけは砂川校長の呼び掛けだったという。ほかの地域の取り組みに共感した砂川校長が、「ぜひ鏡原にも」とPTAにパトロール隊の結成を相談。PTAもこれに快諾した。
結成・出発式は昨年十二月五日に同校前で行われた。隊長に就任した立津和秋さん(小学校PTA会長)は「不審者による事件はまったく予測がつかない。何も対策を取らないでは身辺で起きる危険性を伴う。みんなで協力して子どもたちを守ろう」とメンバーに団結を呼び掛けた。
鏡原小学校から出発し地域に防犯意識の向上をアピール |
結成・出発式では宮古島署と同地区防犯協会から防犯用品が贈呈された |
宮古島地区防犯協会の前川尚誼会長と宮古島警察署の岸本亮署長も参加し、防犯用品を贈呈した。出発式後には早速、パトカーや青色回転灯装備車を先導に全員でパトロールに出掛け、防犯をアピールした。
結成して一カ月が過ぎた。活動を始めた大人たちの見守る温かな目に子どもたちは安心感を覚えている。パトロール中は子どもだけでなくお年寄りへの声掛けも行う。「おばあ、元気ねー」「おじい、久しぶり」などと明るい温かな声が地域を包んでいる。
同隊の結成で宮古地区での防犯パトロール隊は十三団体となった。同地区以外では東川根や荷川取、腰原、西城、池間島などの地区で地域住民らが結成し、防犯活動を実施している。
防犯ボランティアの活動は全国的にも高まりつつある。二〇〇六年六月末現在では二万六千五十一団体に上り、〇五年末からの半年間で約一・三倍に。うち、父母らの団体は、子供をめぐる深刻な犯罪情勢を反映し、三千九百二十四団体。
宮古島署によると「防犯ボランティアは長く活動することが大事」という。同隊では八人程度のグループでローテーションを組み、二、三カ月に一度パトロールしメンバーに負担が掛からないように活動している。立津隊長も「楽しみながら長く続けたい」と笑顔で話す。
子どもたちの安全を思い動き出した活動は地域全体の防犯意識の向上、活性につながることにも期待が集まっている。
パトロール隊が結成されたことにより、今まで以上にPTAや職員、地域とのつながりが強くなった。結成して良かったと思う。
パトロールしなくても何事もないことは良いことだが、何か行動を起こすことも大事。パトロール終了後にはメンバー同士で食事するなど、交流を深めていることも良い効果だ。
パトロールを重ねるうちに課題も挙がった。「完全に暗くなった時間にした方がよいのでは」などの意見もあり、時間帯の変更なども検討し、より良い活動を目指している。楽しく長く続けていけるよう頑張りたい。
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