勝利へ 楽しくひたむきに

宮古ラグビーフットボールクラブ


県民体育大会で初の準V達成

 十五人対十五人。球技では最も多くのプレーヤーがフィールドに立つラグビーフットボール。選手はそれぞれに与えられた役割をこなし、トライを、勝利を目指すのが大きな魅力だ。十一月に開催された第五十八回県民体育大会で、宮古島市が初めての準優勝を飾った。チームを構成したのが宮古ラグビーフットボールクラブのメンバーだ。「楽しくひたむきにプレーする」(山本大司監督)ことをモットーに、重ねてきた練習の成果が表れた。宮古高校にも二年前にラグビー部が誕生し、全国選手権県予選で初白星を挙げるなど、宮古のラグビーに、徐々に盛り上がりの機運が見える。その中核を担う同クラブを紹介する。(砂川拓也)


(県民体育大会で初めての準優勝を飾った宮古ラグビーフットボールクラブの選手ら

 県民体育大会で初めての準優勝を飾った宮古ラグビーフットボールクラブの選手ら
=豊見城市総合運動公園陸上競技場

 


練習は基本的に週2回。島内各地の競技場で、個人の基礎的なプレーから、試合で大きなポイントとなるスクラム(右)やラインアウト(左)など、地道な反復練習を行う=下地競技場

 同クラブが公式戦をできる年に一度の舞台・県民体育大会での二勝と準優勝という結果に、山本監督は「宮古の実力が付いてきている証拠」と手応えをつかんでいる。
 クラブは一九九二年設立。県民体育大会への出場は続けてきたものの、勝ち星とは縁遠かった。しかしここへ来て、「地道に練習を重ねてきたこと、島外からの経験者も加わったことで良いチームに仕上がっている」(山本監督)。県内でも戦えるチームになってきていることを結果で証明することができた。


準優勝の表彰状を受け取る伊志嶺隼主将=豊見城市総合運動公園陸上競技場

 高校時代からラグビーをしているという同クラブの主将、伊志嶺隼さんは「離島から準優勝できたのはとても大きい。今回の結果に満足することなく、次は宮古に優勝旗を持って帰りたい」と意欲的。そのために、「もっとメンバーを増やしたい。興味がある人はいつでも練習を見に来てほしい」と話す。
 チームには地元出身者をはじめ、本土からの移住者、沖縄本島や本土からの転勤者、初心者から経験者、年齢や職業と、多様なメンバーが集まる。
 経験者の森東俊志さんは、「例えば一〇〇`以上の人が他の球技だと難しいが、ラグビーには役割がある。それぞれが役割を果たして勝ちを目指すのが楽しい」。四カ月ほど前に入ったという久島和洋さんは「みんなが同じ目標を持てるので団結力がより深まり、とても良い雰囲気」と楽しんでいる様子。大学時代にプレー経験があり、「自分にもアドバイスできることがあれば」と考えている。
 「『One For All,All For One.』(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の精神で、互いを信頼し合うことが大事なスポーツ」と、その魅力を語る伊志嶺さん。山本監督は、「イギリスやニュージーランド、オーストラリア、南太平洋の島々など、ラグビーは島国が強い。宮古島を『ラグビー王国』にしたい」と、夢は大きい。

  メンバー 
 【会長】前川尚誼 
 【副会長】砂川勝哉
 【監督】山本大司
 【事務局長】村上健輔
 【主将】伊志嶺隼
 【副主将兼主務】安里智行
 【主務】兼浜夕香
 【広報】▽佐久川憲一▽上地庸一 
 【マネジャー】前里ゆかり
 【選手】▽山本大司▽伊志嶺隼▽砂川勝哉▽垣花康博▽村上健輔▽安里智行▽馬場太志▽宮里武▽田代悠▽森東俊志▽辺土名斉朝▽上地庸一▽佐久川憲一▽多々隈貴之▽友利秀作▽中山一男▽七戸吉彦▽志和山清光▽永野貴昭▽山城拓也▽林正人▽今林大輔▽久島和洋
(敬称略)
 



 



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