剣で磨く心と技

礼に始まり礼に終わる

宮古郡剣道連盟少年剣士

 宮古郡剣道連盟(古波蔵一会長)には小学生から高校生までの約四十人の少年剣士が厳しいけいこに汗を流している。今月二十三日には青少年健全育成剣道大会が開かれ、少年剣士らが気迫あふれる剣さばきを披露した。剣の道に励む少年剣士たちを紹介する。(洲鎌恵仁)
 


厳しいけいこに励む宮古郡剣道連盟の少年剣士たち

 


一進一退の攻防が見られた

 青少年健全育成剣道大会には基本形式、競技形式、試合形式の三部に計二十七人の少年剣士が参加した。会場には竹刀がぶつかり合う音や勢いよく踏み込む音、気合いの入った掛け声が響き熱気があふれていた。
 基本形式の部は防具を着けずに行われ、礼法や構え、二挙動など基本動作の技術の正確さで勝敗を決する。少年剣士らは気合いの入った表情で「メン」「ドウ」「コテ」と掛け声を上げ打ち込んでいた。
 試合形式の部では、大人顔負けの迫力ある試合が展開され、激しい技の応酬が見られた。
 大会の決勝戦では全選手が試合場を囲み勝負の行方を見守った。相手の技を観察して良い点を取り入れることもけいこの一つ。観戦者はもちろん正座だ。


力強い打ち込みを応酬する少年剣士


ちびっ子剣士も気合い十分

 三、四年生の部で優勝した根間健慎君(北小学校四年)は「剣道を始めて一年。けいこはきついけど、勝てるとうれしい」と笑顔を見せた。
 剣道はけいこを通して武士の精神を学び人間形成を目指す武道だ。そのため技術や体力のみならず礼法を重要視している。大会中も指導者らは「剣道は礼に始まり礼に終わる」と何度も注意していた。
 けいこは週三回。一時間半、みっちりと汗を流す。練習中も試合に臨むような心構えで、けいこに臨んでいる。
 父母らで結成された少年剣士親の会(下井義明会長)の活動も活発。今月十八日には県立宮古少年自然の家でそば打ち体験を開催。以前にはシーカヤック体験も実施した。剣道以外にもさまざまな体験を通して子どもたちの健全育成を図るために活動している。


楽しそうにそば打ち体験をする子どもたち

 親の会について古波蔵会長は「親の会の存在はありがたい。今後も力を借り、活動の場を広げたい。けいこだけでなく楽しむことも大事」と話す。
 同連盟では、毎週月・水・金曜日の午後六時三十分から北小学校体育館でけいこを行っている。少年剣士募集中で、連絡先は事務局の下地睦夫さん(電話72・6998)まで。


基本は礼法

古波蔵一会長

 剣道の基本は「礼法」。技術よりも、目上や親、先輩に対する礼儀や生活態度を徹底して教えたい。技は二の次でいい。確かに剣道のけいこはきついし、礼儀にもうるさい。しかし、続ければ心身共に鍛えられる。今後は競技者の底辺拡大に努めたい。剣道ブームの際に行われた地域対抗戦を復活できるようにしたい。



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