心に響く大正琴の音色

木村流大正琴宮古支部

基本は「楽しんで、生涯学習」
 

 大正琴の音色に魅せられて、教室でも、自宅でも、公民館でも大正琴を演奏する木村流大正琴宮古支部の会員ら。演奏しているときの表情は喜びに満ちあふれ、穏やかでやわらかい。支部長の砂川峰寿さんは「それぞれの楽しみ方がある」と話す。彼女たちはその言葉通り、自分だけの、何にも代え難い楽しみ方を心得ているようだ。大正琴と出会い自然に生涯学習を実践している。それがこの支部の特徴だ。今月十日には茨城県で開催される全国生涯学習フェスティバルに参加し、宮古島で培った心のハーモニーを響かせる。(山下誠)
 




木村流大正琴宮古支部の皆さん。大正琴の楽しさを学んでいる=市中央公民館
 


全国生涯学習フェスティバルに参加するため練習に励む会員ら=市中央公民館

 同支部スタートのきっかけをたどると一九八九年に遡る。当時、指導者の資格を取った砂川さんが旧平良市老人福祉センターから依頼を受け、高齢者大学の講座を引き受けたことが始まり。今では三十代から八十代という幅広い年齢層の女性で構成される。会員らはそれぞれの地域でサークルや講座に参加し、大正琴の上達に励んでいる。
 大正琴を学習しているときは@楽しみながらA進度はゆっくりとB基本はしっかり−という基本を忘れない。支部長の砂川さんは「やっぱり楽しむことが大切。指導する側としては、一人ひとりが持っている気持ちを大事にしたい。若い人はどんどん上達したいと思うけど、年配の方はゆっくりと時間をかけて上達したいと思う人もいる。そんな気持ちを大切にしていきたい」と、会員一人ひとりが大正琴を楽しむことができる雰囲気づくりに努めている。


会員たちの指導に熱がこもる指導者の砂川峰寿さん

 そんな指導者の気持ちは会員たちにしっかりと伝わっている。半年前から全国生涯学習フェスに参加するため、各地域で練習する会員が合同で練習しているが、指導者に対する信頼度はすこぶる高い。指導者は砂川さんと平良ミツ子さん、平良久美さんの三人。それぞれが「楽しむ」という基本に忠実に指導しているからこそ、そんな雰囲気が生まれるのだろう。
 砂川さんは会員たちへの思いをこう語る。「サークル活動は歌でも踊りでもたくさんある。大切な人生の中で、大正琴を選んでくれて本当に感謝しているんです」。
 大正琴の魅力については「一人でもできるし、みんなとも演奏できる。アンサンブルだって楽しめる。大正琴なら家庭円満ですよ」と笑顔いっぱいで話した。
 砂川さんが最も心掛けていることは「生涯学習を実践」すること。「生涯学習が一番。一人ひとりが自分のペースで楽しんで学習し、そこに大正琴があるという喜びを感じてほしい」と会員に語り掛けるように話した。
 今月十一日に茨城県で開催される全国生涯学習フェスティバルでは、会員四十人が心を一つにして、この宮古島で学習して培った美しい音色を響かせる。
 木村琉大正琴の目標は@幅広い年齢層を対象とした音楽性豊かな生活の創造と機会の提供A高齢化社会を迎え、生きがい対策への対応と奉仕B社会的文化活動への積極的参加と啓もう−など。

 



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