健康づくりへ 歩け、歩け
マイペースで景色楽しむ

宮古島市誕生記念島一周ウオーク
 

 「宮古島市」誕生を記念して行われた『宮古島一周(一〇〇`)健康づくりウォーキング』(主催・宮古島市福祉保健部)。合併によって一つの市になった島を自分の足で一周し「自分の健康は自分で守る」という健康についての意識の向上にもつながった。  (坂本慧)
 

100`歩いた人には「完歩証」授与



第5回ウオーキングの参加者たち=7月22日、城辺運動公園

 六月から行われてきた「新生宮古島市誕生記念・宮古島一周(一〇〇`)健康づくりウォーキング」が八月十二日に最終日を迎えた。第七回までの参加者は延べ百三十七人。スローガンのように「景観を楽しみ・交流を深め・元気いっぱい・笑顔で」宮古島を歩いた。
 市町村合併により「宮古島市」が誕生したことを機会に、それぞれの地域を歩きながら、歴史や風景を肌で感じることを目的としたウオーキング。汗を流しながら自分の足で回り、歩き終えた時の充実感は「何ものにも替え難い」。
 ウオーキングを企画したもう一つの理由は、住民健診によって明らかになった市民の健康悪化だ。宮古島市内の近年の健診結果を見ていくと、糖尿病や肥満、高血圧といった生活習慣病患者や、その予備軍が四十、五十代を中心に、増加傾向にあることが分かった。
 このため行政側は、栄養士を中心とした「血管を守る教室」や、保健師を中心としたウオーキング、ストレッチなどの軽い運動をPR。その延長として、宮古島一周ウオーキングを企画し「誰でも気軽に体を動かすこと」を市民に呼び掛けてきた。
 七月二十二日に行われた第五回のウオーキングは城辺運動公園から、高野漁港までの十一`の距離で開催された。
 参加者たちは西日が照り付ける午後五時すぎ、軽いストレッチをして運動公園を出発。城辺から北へ向かう一周道路右手側の夕日に染まる海岸の景観に目を細めた。二カ所目の給水ポイント「比嘉ロードパーク」では、市の職員が用意したレモン水でのどの渇きを潤し、眼下に広がるコバルトブルーの海を眺めながら、休息を楽しんだ。
 今回の最年少参加者となった田盛玲奈さん(高校一年)は、「運動が好きな方ではなかったけど、ウオーキングは楽しかった。今後も時間がある時は参加したい」と笑顔で話した。
 また、これまでほとんどトップでゴールしてきた洲鎌啓子さんは、「画期的な企画で、毎回楽しく参加しました」と充実した様子だった。
 今後の取り組みとしては平良地区で、九月から毎週第一・三日曜日にウオーキングを実施する。また、城辺・上野・下地の各地区でも今後、定期的な開催を予定しており、楽しみながら健康づくりができるウオーキングにますます注目が集まりそうだ。
 ウオーキング終了後は平良庁舎内で「宮古島一〇〇`完歩証」授賞式も開催された。
 今後の日程についての問い合わせは宮古島市健康増進課・奥原(77・7595内線221)まで。

 写真説明 右上・日焼け対策も万全に城辺運動公園を出発
 写真説明 右下・給水ポイントに用意されたレモン水でのどの渇きを潤した

 男性も積極参加を
市健康増進課長 奥原 一秀さん      

 「宮古島市主催の事業なので、保健師が受付時に血圧測定や体調チェックを行い、途中は救護班の車が伴走をする。体力に自信がない人でも、安心してウオーキングを楽しむことができていた」と万全の態勢で臨んだ今回の企画を振り返り笑顔を見せる。
 参加者の七割以上が女性。自身も毎日、ウオーキングを行っているという。
 奥原一秀課長は「働き盛りの四十、五十代の男性の健康状態の悪化が住民健診でも浮き彫りになった。もっと男性にも積極的に参加してほしい」と現状を述べ、参加を呼び掛けた。

 

宮古の自然をじかに/ウオーキング体験記 
 坂本 慧

 普段何気なく車で通る道が、一歩一歩地面を踏みしめながら歩くと、いつもとは違った光景に見える。潮の香りや、虫の声、草木のそよぐ音を五官すべてで、宮古の自然をじかに感じた。沿道の木々から沸くセミの大合唱が参加者たちの汗を誘い、時折吹く潮風に心地良さを感じた。
 急に筋肉を動かす一般的なスポーツと違って自分のペースで歩けるウオーキングは、心身共にリフレッシュになった。
 



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