目指せパーフェクト賞
西城小学校 自転車競技部

交通安全子供自転車大会 来月、全国大会へ
 

 第三十回交通安全子供自転車沖縄県大会(主催・県交通安全協会連合会)で優勝した宮古島市立西城小学校。昨年大会の砂川小学校に続いて宮古地区からの連続優勝を果たし、関係者の期待に見事に応えた。現在は、八月一−二日に東京都で開催される全国大会に向け、「全員ノーミスで」を合言葉にパーフェクト賞、上位入賞を目指して猛特訓中だ。日に日に自転車との一体感が増している五人のメンバーを紹介する。(砂川智江)
 



全国大会へ向け練習に励む(左から)伊良部菜央さん、洲鎌幸子さん、中上ひかるさん、宮国美咲央さん、与那覇晴乃さん




難易度の高いS字走行に挑む




ピンを倒さないように集中する


 同大会は、自転車競技を通して児童の交通安全に対する興味と関心を高めながら、交通知識を身に付けさせ、交通事故防止を図ることが目的。学科と実技のテストが実施され、全国各都道府県の代表が知識と技術を競う。全国大会では、正確さに加えてスピードや美しさ、臨機応変な判断力なども要求されるため、小さなミスも許されない。
 西城小の自転車競技部結成に当たっては、昨年の地区大会で砂川小に敗退を経験している伊良部菜央さんと宮国美咲央さんが他のメンバーを誘い、長間駐在所の福原安宏さんに監督要請の直談判をして始まった。福原さんは「全国を狙うなら」を条件に引き受け、サイクリングなど、まずは自転車の楽しさから指導したという。宮古地区交通安全協会の西城自治会のメンバーらが校内にコースを整備し、昨年十二月、正式に部活として認められた。結成当初からリベンジに燃え、全国大会を目標に据えてきただけに、メンバーの団結力とやる気はピカ一だ。現在は、全国出場へ向け空き缶集めなどの費用捻出に励むほか、地域の人々に派遣費のカンパを募っている。
 全国大会では、選手全員で「パーフェクト賞」を狙う。そのためには、バランス力と技術、集中力をすべて備えた「自転車との一体感」が必要だ。特に難易度の高い技能走行テストのS字走行では、コーナー部分で線をかすめないよう、タイヤの内輪差に細心の注意を払う。福原監督と共に指導する宮古地区交通安全協会の砂川米子事務局長は「泣いても決してくじけない頑張り屋たち」と評価し「全国大会に出るだけではだめ。本番で実力を発揮できる精神力の向上も含め、賞状を手に帰ってこれるよう応援したい」と話す。
 福原監督は「すべての課題をクリアするためには、基本を徹底して身に付けること」と、時に厳しく、時には包み込むような笑顔で子どもたちの指導に当たっている。
 全国大会まであと二週間。五人の目には「パーフェクト賞」しか見えない。                                     学科テストの勉強も熱心

     

部員5人 全国向け抱負


 

 伊良部菜央(6年)
 全国大会では、メンバー全員が一つもミスをせずに上位の成績を残せるよう頑張りたい。バランスを崩さないように気を付けます。


 

 洲鎌幸子(6年)
 「細い道の安全な走行」を二十五秒以上でゆっくりしっかりこなせるように練習します。全国大会でも上位に入り、満足のいく結果を出したい。


 

 中上ひかる(6年)
 全員ノーミスで三位入賞を目指したい。「S字走行」が苦手なので最後まで気を引き締めて練習し、本番に自信を持って臨みたい。


 

 宮国美咲央(6年)
 砂川小学校の去年の成績を上回ることができるように頑張ります。練習にも毎日欠かさずに参加して、さらにチームワークを高めます。


 

 与那覇晴乃(6年)
 持ち前の団結力を最大限に発揮して、十位以内に入りたい。特に実技テストでは本番で失敗しないように、今まで以上に練習を頑張ります。

力を信じて夢をつかめ

福原 安宏監督



 「自転車走行の知識と技術の指導を通して、命の大切さと感謝の心を伝えたい」と話す。
 全国大会へ懸ける子どもたちの熱い思いを誰よりも知っているだけに、日々の指導にも力が入る。「子どもたちとけんかをすることもあるんですよ。でも、翌日は互いにすっきりした気持ちでまた練習する」。練習を通じて培った信頼関係は揺るぎないものだ。
 「自分と仲間の力を信じて夢をつかめ」。胸の中にはいつもこの言葉がある。
 

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