大物に挑む若き太公望
磯人会(いそじんかい)

釣りを通し交流、環境にも配慮
 

 釣りが好きでたまらないメンバーが集まり誕生した「磯人(いそじん)会」(岸本正人会長)。磯釣りと宮古島の海をこよなく愛する太公望十三人が、「県記録打破」を目指し日々大物を狙う。結成二年を迎える磯人会は、島内の釣具店が開催するダービーでも上位入賞するなど着々と成果を上げている。そんな熱い太公望たちを紹介する。
 



磯釣りと海をこよなく愛する「磯人会」のメンバー。県記録打破を目指している

    

 メンバーがこれまで釣り上げた成果の数々。最高で122a、24・5`のガーラを釣り上げた

   

70aのムルータマンを手に喜ぶタマンハンターの波平さん


  磯人会は二〇〇四年八月に発足した。一九七六年まれの同級生や野球チームの中に趣味で釣りを楽しんでいるメンバーが多く、「どうせ楽しむならみんなで」と釣り好きが集まり誕生した。自分たちだけで大会を開催したのをきっかけに本格的な活動がスタート。今では地元の釣具店が開催する大会や磯人会が主催する大会で、他の釣り人たちと腕を競っている。
 会員は十三人。岸本正人会長を筆頭に「タマンハンター」の波平宣明さん、「チヌハンター」の根間隆典さんらが宮古島全域を巡りながら大物を狙っている。磯釣り限定で、橋や船からの釣りはやらないのが磯人会のスタイル。狙うのはタマンやチヌ、アイゴ、ガーラなど県を代表する魚で、中でも「引きの強さ」と「味の良さ」からタマンは会の中でも人気の高い魚となっている。タマンハンターの波平さんは「ハマフエフキ研究会」発足へ向けてメンバーを募集中だ。
 毎月十八日には模合を兼ねてそれぞれの釣り情報を交換し合う。その時期に良く釣れる場所、大物が潜むポイント、どの潮の状態で釣れたかなど、島中の釣りスポットを巡るメンバーが持ち寄った情報が、今後の成果につながっている。今年の八月で結成二年目を迎えるが、成果は目に見えるように表れてきた。五月には地元釣具店が開催したタマンダービーで、上位三位までを磯人会のメンバーが独占。今月も上位を独走しており、連覇が期待されるという。
 磯人会として活動を始めたことで「海に対する気持ちが変わってきた」というメンバーも。単なる趣味の範囲で終わらせるのではなく、釣り人としてしっかり海と向き合うようになってから海への思いが変わってきた。これまではあまり意識しなかった波に浮かぶごみが目に付くようになり、周辺の環境を意識するようになったという。「魚がいるからこの会も成立している。きれいな海でなければ魚は住めない。大きくて生きの良い魚を釣るためにも、海を大事にしないといけない」。そんな思いから、釣りに出掛けた際には自分たちのごみはもちろん残さず、目に付いたごみは拾うように心掛けている。釣りを楽しむだけでなく、釣り人としてのマナーもしっかり守るのが会活動の原則にもなっている。
 目標は釣りの専門誌「釣り王国」で紹介されている県記録を破ること。「宮古から県一位を」を合言葉に、釣りざおを握りしめた十三人の太公望たちは今日も魚との格闘に挑む。
 磯人会のメンバーは次の通り。(敬称略)
 【会長】岸本正人【副会長】波平宣明▽砂川秀樹【会計】伊佐哲也【事務局】宇座正市【会員】平良勝▽西里昭紀▽立津勝▽荷川取直也▽奥平尚次▽砂川昌博▽外間文彦▽根間隆典        

会員の絆深める

                

 

磯人会会長
岸本正人さん


 同級生や後輩たち十三人のメンバーをまとめる会長の岸本正人さん(29)親しい仲間たちと「磯人会」を立ち上げたことで、「つながりがいっそう深くなった」と釣りの成果だけでなく、絆(きずな)の深まりを喜んでいる。
 釣り歴は十年。友人に誘われたのをきっかけにすっかりはまり、日々、各釣りスポットを巡りながら大物を狙っている。釣りの面白さは「魚との駆け引き」。「大物を釣り上げた時の醍醐味(だいごみ)がやめられない」と笑顔を見せる。
 「ずっとこのメンバーで会を継続させていきたい」と話す岸本さん。いずれは年間を通した宮古島での釣りに関する情報を集め、データとして残していく考えだ。磯人会のまとめ役をしっかり果たしながら、これからも親しい仲間とともに、大好きな釣りを楽しんでいく。

 

                           <<<美ぎ島netページにもどる