小さな工夫を胸に

アイディアロボットコンテスト


県立宮古工業高校

  今年で15回目を迎えた県立宮古工業高校(兼島信雄校長)の「校内アイディアロボットコンテスト」がこのほど、行われた。生徒たちは「夢をつむぐ、小さな工夫を最高の夢に凵vをテーマに個性豊かなロボットを作り上げ、熱戦を展開。年々参加する生徒の技術も向上している。熱気あふれる大会の模様を紹介する。
   (洲鎌恵仁記者)

syuugou.jpg (69869 バイト)

大会に参加した生徒ら。ロボットの性能と操作技術を競い合った

技術、年々向上

 このコンテストは、生徒がアイデアを出し合い、「もの」を完成させていくことを通して、創造や仲間と協力し合う喜びを体験し、主体的に自ら学ぶ能力や態度を育てることが目的。
 競技は、規定時間三分間以内にロボットが輪投げを行い、そろったビンゴの数を競い合うもの。試合を行う縦四b横三bのコート内には「鬼の洗濯岩ゾーン」と呼ばれる階段状になった障害物があり、その先にポールが九本立ったビンゴボックスがそびえる。
 ロボットは▽重量十三`以内▽寸法縦六十a、横五十a、奥行き五十a以内▽ロボットは分離してはならない―などの規定内で製作しなければならない。また、大会ではアイデア賞、デザイン賞、努力賞が設けられ、優勝以外にも生徒たちの個性やアイデアが評価の対象となった。
 大会には十チームが参加。トーナメント方式で優勝が争われた。生徒は試合直前までロボットの状態を最終チェック。真剣な表情で微妙な調整を行う姿が見られ、徐々に緊張感が高まっていった。
 試合開始のブザーが鳴り響くと二台が一斉にスタート。指先の神経を頼りにロボットを操作し、ビンゴを目指した。
 大会は全校生徒が見守る中で行われ、ロボットが輪を勢いよく空中に飛ばすたびに「ウォー」と歓声が上がった。
 難所の「鬼の洗濯岩」ではタイヤを踏み外し、立ち往生するロボットも見られた。また、全国大会、県大会の予選も兼ねているこの大会はルールも厳しく、失格するチームも相次いだ。
 ロボットはローラーを使って離れた距離から輪を飛ばす「ローラー型」と、アームを使ってポールにぎりぎりまで接近して輪を投じる「アーム型」の二種類に分類される。
 大会で優勝を飾った「MKR」号を製作した川満広哉君、漢那公紀君は「アーム型」を選択し正確性の高いロボットで初挑戦した。「アイデア賞狙いだった」と語るように、「MKR」号はシルバーとブルーで鮮やかに塗装されたロボット。
 しかし、見た目以上に素晴らしいのがその性能。練習では最高は四ビンゴの記録を持つという。他チームが輪を一つ掛けることに苦戦する中、快調に輪を投じ、一回戦と準決勝では一ビンゴ、二回戦は二ビンゴと、大差をつけて勝ち進んだ。
 決勝は「MKR」と「アームストロング将軍」が対戦。「MKR」は輪を二つ掛けたところで操作ミス。車輪が鬼の洗濯岩から脱輪し立ち往生したが、掛けた輪の数で優勝を手にした。「あきらめずに頑張って良かった」とほっとした表情を見せた。
 十五日行われた県大会には同校から五チームが参加。惜しくも優勝は逃したが十一月には宮崎県で開かれる全国大会への出場権が特別に与えられた。生徒たちの全国での活躍に期待が集まる。

 結果は次の通り。
▽優勝=川満広哉・漢那公紀「MKR」号▽準優勝=池間隆暁・新城辰樹「アームストロング将軍」号▽三位=「R」号、「森野ベアー3」号▽アイデア賞=「R」号▽デザイン賞=「守鎮之尾―0」号▽努力賞=「ラグナロク」号
 

1.jpg (39576 バイト)

  真剣な表情で操縦する生徒
 2.jpg (38390 バイト)

ローラー型は勢いよく輪を飛ばして観客を魅了した

3.jpg (30297 バイト)
 
試合直前までロボットの状態をチェック

 4.jpg (33760 バイト)

優勝を飾った「MKR」号を製作した川満広哉君(左)、漢那公紀君

 

<<<美ぎ島netページにもどる