南中ソーランで一つに 

上野小学校6年

 宮古島夏まつりやダンケフェストなど各種イベントで「ソーラン!ソーラン!」と、威勢の良い掛け声が会場中に響く。上野村立上野小学校6年1組の児童32人(男子14人、女子18人)が演ずる「南中ソーラン」だ。一生懸命踊った後の児童らは充実感でいっぱい。踊れば踊るほど「南中ソーラン」の楽しさにひかれる児童たちの活動を紹介する。(洲鎌恵仁記者)

      

各種イベントで南中ソーランで披露する上野小学校六年生
 

子供たち、さっそうと

 「南中ソーラン」は北海道稚内市立稚内南中学校で、校内暴力で荒れた学校再生の中から生まれた踊りだ。問題児を集めて「YOSAKOIソーラン祭り」で日本一になろうと始めたのがきっかけという。
 その取り組みは人気テレビドラマの「3年B組金八先生」でも取り上げられたことも。また、映画化もされるなど一般にも広く知られている。
 振り付けは漁師の動きから取り入れられ、中腰の低い姿勢を保ちながら網を引いたり、かいをこぐ姿が表現されている。踊りはわずか四分間だが体力的にも相当ハードなものだ。
 児童たちが初めて南中ソーランを踊ったのは昨年の学芸会。踊りの由来を知る担任の砂川成人教諭が勧めた。その後、老人ホーム慰問などさまざまな場所で踊りを披露し、元気を与えている。
 また、海開きや夏まつり、ダンケフェストなど各地で催されるイベントでもオープニングを飾り好評を博している。
 黒の舞祝着にねじりはちまきを身に付け、さっそうと登場する児童ら。表情は引き締まり、踊りに対する真剣さが伝わってくる。ソーラン節より速いテンポの音楽が流れると「ソーラン!ソーラン!」、「どっこいしょー、どっこいしょ!」と掛け声が飛ぶ。力強い漁師の姿が連想させられる。
 新里奈月さんは「練習はきついけど、本番で踊り終わると楽しかった思い出が残る。踊りを始めてから、けんかも少なくなった」と笑顔で話す。また、與那原秀斗君は「踊ってから思い出がたくさんできた。良いことばかり」と振り返る。
 最近は父母らもイベントに足を運び児童たちの頑張りに目を細める。南中ソーランを中心に、児童や父母、地域が一つになっている。
 六年一組の児童は次の皆さん。
 ▽平良真悟▽大田誠▽渡真利浩▽平良翔大▽狩俣翔太▽上地将樹▽砂川卓▽我那覇樹▽上原晋之助▽源河大毅▽久貝啓祐▽與那原秀斗▽砂川拓弥▽新里映季▽新里真奈美▽西川愛里▽新里奈月▽西里樹李▽宮国千里▽宮國奈留美▽太田麗美▽新城結花▽宮国由貴乃▽砂川千尋▽平良紗耶花▽川田江実▽砂川三月姫▽佐久川真葵▽砂川亜衣▽川満愛莉▽川満恵里香▽砂川可愛

写真説明・踊りはハードだ。真剣な表情で踊る児童
 



踊りのラストを飾るキメのポーズ。決まったね

 

「感謝の気持ちで」/砂川成人教諭
 「ボランティアをやっているのではなく、させてもらっている。踊ることは地域に対する感謝の気持ちの表れだ」―。踊りを指導する担任の砂川成人教諭はこう語る。
 南中ソーランが学校現場で生まれたことをドキュメンタリー映画で知っていた。子供たちに勧めたのも「踊りでみんなを一つにまとめよう」と考えたから。
 「声が出てないよ、声」「しっかり腰を落として」と体育館中に、子供たちに負けない熱がこもった指導の声が響く。指導の際には「うまく踊るより、踊りたい気持ちを出させるようにしている」と心掛ける。
 「踊りには一人ひとりに役割がある。誰一人欠けてはならない。みんな自分が必要とされていることを実感しているようだ」。
 厳しい練習を乗り越え、いろいろな場所で踊りを披露した子供たちにも変化が見られた。「表現力が豊かになり、授業中でも積極的に意見を発表するようになった」と踊りの思わぬ効果をうれしそうに話した。

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