「おはようございます」「いってらっしゃい」―。
毎月三日の「ちゅらさん運動の日」、宮古地区防犯協会青年部（砂川朝賢部長）と同レディース部（本村恵子部長）のメンバーらが、登校時の児童生徒を朝のあいさつで激励する。「おはよう」の一言に、「きょうも一日頑張って」「楽しい一日を過ごして」と、地域の大人たちのたくさんの愛情が込められている。子供たちの健やかな成長を見守り、限りない可能性に期待を寄せる青年部、レディース部メンバーを紹介する。（砂川智江記者）
　
　　　　　　　　　

　　　　青年部とレディース部のメンバーが仕事や家事を開始する前に学校の校門前に集まり、
　　　　　　　　　　　　　　　　　登校時の子供たちを励ます＝３日、平良中学校
　

あいさつで子供ら激励

　宮古地区防犯協会青年部、レディース部は、宮古警察署と協力して地域の治安維持や、子供たちの健全育成に力を注ぐ市民レベルの団体だ。今年四月から毎月三日、小・中学校の校門前で朝のあいさつを行う「ちゅらさん運動」のほか、毎月第三金曜日の「少年を守る日」には、街頭補導活動を実施している。また、各種イベントが開催される際には、街頭パトロールを行って深夜に出歩く未成年者やふらふら歩きの酔っぱらいに帰宅を促し、必要に応じて警察官の出動を依頼することも。子供からお年寄りまで、宮古のすべての住民が安心して暮らせる地域づくりを目指す。
　メンバーそれぞれ、仕事や家事との調整をやりくりしての地域活動だが、「ちゅらさん運動」で校門前に立つメンバーの顔は特にいきいきと輝いている。「きょうも充実した学校生活を」と願う大人たちの顔だ。
　砂川青年部長は「宮古の子供たちにすくすく育ってほしいと願うのは先輩として当然の気持ち。あいさつ運動はまだ始めたばかりなので長く継続し、あいさつの触れ合いを通した子供たちとの信頼関係を築いた上で成長ぶりを見守っていきたい」と、今後の意気込みを話した。
　青年部、レディース部は次の皆さん。（敬称略）
　【青年部】▽砂川朝賢▽平良豊一▽砂川博一▽本村典男▽砂川博孝▽友利和史▽亀川勝男▽下地昌鉄▽塩川克也▽池間隼人▽下地秀徳▽下里和広▽伊良皆広吉
　【レディース部】▽本村恵子▽平良恵子▽立津佳子▽松岡則子▽砂川美江子▽三井咲子▽平良秀子▽仲宗根光子▽荷川取恵子▽保栄茂美智子

　楽しい学校生活を　青年部長　砂川朝賢さん
　「歩き方や顔の表情に気持ちが表れる。子供たち一人ひとりが楽しい一日を過ごせるように、心をこめて声を掛けたい」と話す砂川朝賢さん。登校時の児童生徒を「おはようございます」「いってらっしゃい」のあいさつで激励する「ちゅらさん運動」の日は、いつも以上に地域の子供に目を配る。「校門に向かって歩いているときの表情で、おっくうな気持ちで登校しているのか、それとも張り切っているのかがよく分かる。『おはよう』のあいさつは一日の始まりそのもの。あいさつを通したコミュニケーションで、未来ある子供たちの背中を少しでも押してあげたい」と熱意にあふれる。
　気になるのは、横断歩道を渡らない中学生が目に付くこと。「面倒くさがっているのだろうが、基本的な交通ルールを守る心掛けが大事。小さな気の緩みが、危険な事態を招きかねないからね」と表情を引き締める。朝の登校時、子供たちに地域の大人の愛情を伝えている。

　あいさつはマナー教育　 レディース部長　本村恵子さん
　「宮古の子供たちは素直でかわいい。未来は明るいですよ」とうれしそうな笑顔を見せる本村恵子さん。四月に、宮古工業高校の校門前で五日間連続で朝のあいさつに立った。「一見照れ屋に見える男子生徒も大きな声であいさつしてくれるし、『おばさん、何をしているか？』と近寄ってくる子もいるんですよ」と、勢い良く語る姿はまるでわが子自慢だ。
　小学校ではこんなこともあった。「『おはよう』のあいさつだけでなく、『いつもご苦労様』と声を掛けてくれる子がいるんですよ。きっと普段から親の姿勢を見ているんでしょうねぇ」。小さな一言でも、人を温かい気持ちにさせてくれるのが心のこもったあいさつの力だ。「ちゅらさん運動」を通して子供たちから元気をもらっているという。
　「あいさつは社会全体の基本的なマナー。家では親が、外では地域の大人がしっかり教育することが大切ですね」