青少年に母の愛を 


宮古地区更生保護女性会

 「青少年に母の愛を」―。1976年12月に結成され、今年で32年目を迎えた宮古地区更生保護女性会(国仲ヒデ会長)のスローガンだ。年々増え続けた会員数は200人余。各地域ごとの「更女会」がさまざまなボランティア活動を幅広く行い、「犯罪や非行のない明るい社会」の実現に取り組む。同会の活動を紹介する。   (砂川拓也記者)



国仲会長(前列中央)はじめ、宮古地区更生保護女性会の
理事の皆さん

「犯罪・非行のない明るい社会」に全力

 「更生保護」は、罪を犯した人の立ち直りの援助をしたり、犯罪予防のためのさまざまな活動を行うもの。同様な活動を行うものに「保護司」があるが、これは「保護司法」に基づき法務大臣から委嘱を受けた民間のボランティアで、犯罪や非行を犯した人を保護観察官とともに保護観察する活動が中心になる。
 これに対し宮古地区更生保護女性会は任意の団体で、その活動に賛同する女性たちの集まりだ。「平良市更女会」「西辺学区更女会」「狩俣学区更女会」「池間学区更女会」「伊良部町更女会」「城辺町更女会」「上野村更女会」の7つの地域更女会で構成され、会員数は合わせて247人(04年現在)に上る大所帯。このうち「平良市更女会」は市内に設けられている「サロン」などの単位により、各地域での活動を実施している。
 近年、力を入れているのが、保育所や学校などにおける絵本の読み聞かせなど子供たちとの触れ合い。まずは犯罪を起こさないよう、子供たちを健やかに育てることが先決と、情操教育に力を入れる。東川根保育所など、市内の保育所を訪れると、子供たちも喜んで迎えてくれる。国仲会長は「大変反響が良い」と手応えを感じている様子だ。
 子供たちとの触れ合いのほかにも、社会福祉協議会と連携した活動、社会を明るくする運動や深夜はいかい防止運動など、さまざまな運動などに積極的に参加する。
 「犯罪を犯す前の取り組みというのが大事であり大前提。更生保護を軸足にしながら、地域に根差したボランティア活動に、これからも取り組みたい」と国仲会長。会員数も年々増加を続けている。快活な女性たちの活動の輪は、これからもどんどん広がっていきそう。

 写真説明(上)・今年度の取り組み内容など総会にかける議案について確認した05年度第1回の理事会
 写真説明(下)・このほど発刊された30周年記念誌「ぬくもり」。活動の歴史をつぶさに見られる
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更生保護女性会 
 女性としての立場から、地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、青少年の健全な育成を助け、犯罪者・非行少年の更生に協力することを目的とする女性のボランティア団体。現在では地区会数約1300、会員数約20万5000人を数える。
 近年では、地域の公民館、学校等に地域住民の参集を求めて、その地域の実情に即した非行問題等を話し合うミニ集会のほか、親子ふれあい行事や子育て支援の活動などに取り組んでいる。会の趣旨に賛同する女性であれば、誰でも参加できる。

              更生保護女性会綱領 

 私たちは 一人ひとりが人として尊重され、社会の一員として連帯し、心豊かに生きられる明るい社会をめざします。
 私たちは 更生保護の心を広め、次代を担う青少年の健全な育成に努めるとともに、関係団体と連携しつつ、過ちに陥った人たちの更生のための支えとなります。
 私たちは 知識を求め自己研鑽に励むとともに、あたたかな人間愛をもって明るい社会づくりのために行動します。


 「少しでも役に立てれば」 国仲 ヒデ 会長
 「犯罪や非行のない明るい社会を目指す」ことが私たちの活動。近年では、青少年による凶悪犯罪が増加し、子育てをする環境の変化によって親子のきずなが希薄になり、それに伴う虐待事件なども多く起こるようになっている。子育て支援などを行いながら、明るい社会づくりに努めていきたい。
 大人でも子供でも、宮古の人が明るく楽しく暮らしていけるよう、少しでも私たちが役に立てればうれしく思う。これからも会員同士協力し合って頑張っていきたい。


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