スイムの安全任せて 


トライアスロン宮古島大会 ボランティア・水泳部

 きょう4月17日は第21回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)。大会関係者や多くの地域住民らが宮古の一大イベントを支える。大会に参加するボランティアは約5000人。25の部班に分かれ、各持ち場でそれぞれ役割をこなす。事故が起きる可能性の最も高いスイム競技では今大会もレスキュー体制を強化し、「世界で一番安全な大会」を目指す。海の安全を守る「水泳部」にスポットを当てる。   (洲鎌恵仁記者)



海中、海上からスイム競技の安全を見守るレスキューダイバーら

世界一安全な大会アピール

 トライアスロンを支えるボランティアの中で、安全な大会運営のために最も重要とされるのがスイム競技を支える水泳部だ。ダイバー50人、ジェットスキー5艇、レスキューボード40艇が、スタートからゴールまで3キロのコースで海上、海中から選手を見守る。
 第18回大会の死亡事故を受け、大会事務局も安全管理を徹底する。第19回大会からはスイムコースを変更し、ダイバーの増員など体制強化を図ってきた。
 スタート直後は選手1500人が入り乱れ、トラブルが発生しやすい地点。今大会では300メートル、450メートルの両地点に監視用のフロートを新たに設置し、監視員とダイバーを配置する。二木哲大会実行委員長も「強力な監視体制がとれた」と安全面での充実ぶりを喜んでいる。
 ダイバー班は大会まで1週間となった10日、パイナガマビーチで救助訓練を実施。本番さながらの訓練で救助の流れを確認した。
 ボランティアはそのほとんどが日ごろダイビングショップなどに勤務するいわば「海のプロ」。選手たちにとっては頼もしい限りだ。
 練習を見つめる池村盛良競技副委員長も「多くのダイバーがボランティアで参加することで、より安全で大会運営もスムーズになる。スイム競技の無事終了が大会成功の九割を担っている」と期待する。
 一方、レスキューボード班も大会へ向け調整に余念がない。会場となる下地町の与那覇前浜ビーチで訓練を行った。
 機動力のあるレスキューボードは選手に素早く近寄り救助することにたけている。さらに、当日には県ライフセービング協会からも10人が応援に駆け付け、選手の安全を見守る。
 大会関係者やボランティアにとって「世界一安全な大会」と言われることは最高の栄誉だ。その栄誉は水泳部に掛かっているといっても過言ではない。

 写真説明(上)・最後の泳者を見守る水泳部(昨年の大会から)
 


救助訓練を何度も行い本番での事故防止に努めた
 


レスキューボート班は救命用具の取り付け方など基本を繰り返した

 「救助の流れを線に」 水泳部 清水伸一 部長
 「ダイバー班の7、8割が大会ボランティアの経験者。みんな大体の感じをつかんでおり、年々レベルが上がっている」―。水泳部160人をまとめる清水伸一部長は安全体制に自信を見せる。
 トラブルが発生した場合には、ダイバー、レスキューボード、水上バイクが連係し、選手を陸の救護班に受け渡す。その一連の流れが生命線。訓練を見つめ、「流れが線にならなくてはいけない」と厳しい表情で語る。
 訓練中には人一倍大きな声で指導。「ジェスチャーを大きく」「もっとしっかり選手を支えろ」とげきが飛ぶ。まさに本番さながらだ。
 「ボランティア1人ひとりの気持ちも大会へ向け高まっており、良い状態。技術の向上だけでなく、連係プレーやダイバー班としての和がつくれている」と語るように、水泳部が一丸となってスイム競技の安全を守る。

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