庭園で心豊かな古里づくり 


緑の街角賞 各賞受賞庭紹介

 今回で22回目を数える「緑の街角賞(主催・平良市民運動実践協議会グリーン部会)」。みずみずしい緑と、色鮮やかな花々が街を飾り、道行く市民の目を楽しませた。今回最高賞に当たる「緑の街角賞」に選ばれたのは与那嶺哲夫さんの庭。審査委員長の友利吉博部会長は「他の庭と比べ圧倒的に緑にボリューム感がある。県都市緑化コンクールで県知事賞をもらえるレベル」と高く評価する。そのほか6賞に選ばれた庭もそれぞれ個性豊かな庭造りを見せ、年々向上する参加者のレベルに関係者も喜んでいる。平良市単独での開催は、今回で最後。市町村合併後の開催については未定となっている。各賞に輝いた庭を紹介する。     (洲鎌恵仁記者)

緑の街角賞
   
与那嶺 哲夫さん

 玄関アプローチの両脇には高さに変化を付けた黄緑の色鮮やかなレンギョが連なる。そのレンギョの奥行き2メートルの左手と奥行き4メートルほどの右手の前庭には1−2メートル丈のクロキやサンショウ、シマヤマヒハツなどが群生、濃い緑色の築山状に美しく刈り込まれて訪れる人々の目に壮大な連山の風情を与えている。
 居間の前方には広大な芝生の主庭。奥には2、3メートル丈のクロキやツバキやベンジャミンなどが枝葉豊かに生き生きと伸び、根本には前後2列の間隔を置いて大小の平らな石組みが施されて主庭全体を効果的に引き締めている。与那嶺さんの庭造りの確かさがうかがえる見事な技法である。
 さらに、道路に面した塀沿いには緑陰が潤いを与えて道行く人々とも共有できるように配慮されたクロキの高木がそびえており、まさに「緑の街角賞」にふさわしい庭園である。

緑 鮮 や か 「築 山」 連 な る

 緑化推進賞  友利 達雄さん
 建物左右と1階駐車場の目隠しに植えられた3メートルほどのイヌマキが、敷地外と駐車場の雰囲気を遮断し、視線を自宅の庭に向けさせ、かなりの緑量を保ち庭の雰囲気を引き締めている。
 アーチ形の門をくぐると左右に剪定されたイヌマキ・リョウキュウゲッキツなどがあり、ゆったりとした階段を上がると、右側塀沿いの花壇の中に、1メートルほどの形の良い自然石が1個置いてあり、石にはガジュマル・オオタニワタリが植えられ、庭造りを工夫しながら楽しんでいる様子が感じられる。

 植裁美化賞  仲里 一雄さん
 庭のメーンには数10年になるクロキが玉づくりできれいに仕上げられ、春の息吹を感じさせるように茶色の新芽が一斉に芽吹いて新緑の清涼感を道行く人たちに与えている。
 一層人目を引き付けるのは長い年月をかけて仕上げたと感じさせるブーゲンビリア。階段の手すりにそって仕立てられ赤紫色の鮮やかなブーゲンビリアは花の生垣のように作られ見事である。
 花と緑のバランスが良く調和している。小さな庭で樹種も少ないにもかかわらず長い年月をかけて手入れすることによって緑豊かで、華やかな庭になることを教えてくれる。

 庭園美化賞  砂川 富三さん
 白いブロック塀の道路側と内側にタイワンレンギョ高木にクロキがきれいに剪定され、道行く人の目を引く。門扉には、丹精込めて剪定されたイヌマキが手を上げているようで、「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」とあいさつしているようにさえ感じられる。
 門から玄関までは、玉砂利が敷き詰められ、クロキとタイワンレンギョが見事に剪定されてインパチェンス、ベゴニアなどいろいろな鉢植えで花々が目にも鮮やかに咲き乱れている。
 中庭にはフェニックス、クロキなどがバランス良く植栽され、緑のじゅうたんのように芝生が刈り込まれている。
 夏は来客あらばいつでも庭でバーベキューが出来るようにレンガ造りのいす、手作りのライト流木などで配置も良く工夫され愛情を注いで庭造りをしている努力が感じられる。

 緑の塀賞  大嶺 敏彦さん
 塀のみならず道路に面した店舗の壁面すべてが濃い緑のオオイタビに覆い尽くすされている。巨大な「緑の壁」が道路に面して仁王立ちしている店の入り口から中に消える人は、道行く人の目には緑の壁にそのまま吸い取られていったように映る。そんな錯覚を抱かせるほど何もかもが緑一色である。
 枝から気根を出して壁面に吸着するオオイタビの葉は光沢があり、日が西に傾き出すと「緑の壁」はその様相を変化させ、圧倒的な緑の量を強調して見るものに迫ってくる。

 花いっぱい賞   砂川 富士子さん
 塀や家屋の壁面のラティス(板を格子状に組んだもの)に掛かった花鉢には、インパチェンス、ベゴニア、ペチュニアなどの花々が咲き乱れている。こじんまりとした庭は、ラティスや塀を効果的に使用することによって、立体的にたくさんの花を楽しめるように華やかである。
 花木はサルスベリ、ポインセチア、トックリキワタなど四季を通して花が楽しめるように植栽の工夫がなされている。
 隣に小公園があり、散策やグラウンドゴルフをする人たちもついのぞいてみたくなるような「花いっぱい」の庭造りをしている。

 緑と花の空間賞


神里 喜三郎さん宅
 


下地 孝さん宅
 


新里 好広さん宅


友利 誠永さん宅

 受賞宅は市営北団地近くの新興住宅地にある。タイトル通り新里家、友利家、下地家、神里家の4世帯で構成され庭には、色とりどりの草花や緑鮮やかな木々が丹精込めて育てられている。全体的に点と線と面で構成され1つの小さなロードパークを形成している。
 個々の家々が最初から空間演出を意識して庭造りをした訳ではないが結果的にバランス良く調和がとれ、美化空間を演出している。
 

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