住みよい島作りに一役 


NPO法人 いけま福祉支援センター

 NPO法人いけま福祉支援センター(代表・前泊博美)のスタッフは池間島出身の同期生8人。明るくて元気いっぱい、島思いの仲間たちだ。お年寄り対象の「きゅ〜ぬふぅから(きょうも楽しいよ)舎」開催や、池間小前ユニムイ広場での植樹など、住み良い島づくりに一役買っている。将来に向けては「若者たちの掛け声が、子どもたちの笑い声がいきいきと響く活力に満ちた島にしたい」と夢を描く。
    (新城孝夫記者)



会員たちは古里池間島の活性化のため意欲的に活動を続けている。左から砂川修代、儀間利津子、前泊博美(代表)、仲間朝美、
喜久川智穂子(敬称は略させていただきました)

おじぃ、おばぁへの恩返し込め

 「生まれ育った池間島、育ててくれたおじい、おばあに何か恩返しがしたい」、「昔のようなにぎわいのある、誇れる島にできないか」。島を思う発想は、長年続けたNPOの勉強会の中で温められた。準備を整え2003年5月に設立総会。04年9月13日認証を受け、同16日法人登記し活動が本格的にスタートした。
 定期的な活動は「いきいきサロン きゅ〜ぬふぅから舎」。月に2回地域のお年寄りや子供たちが池間公民館に集い、愉快なひと時を過ごす。ぼけ防止のためのゲームや健康体操は定番のプログラム。池間フツの冗談が飛び交うお笑いタイムだ。子供たちは日ごろの活動の成果を披露。最後は伝統食を取り入れたスタッフ手作りの「しあわせメニュー」を共にする。
「大笑いしながらごちそうを食べて楽しい。寿命もきっと延びるよ」(前泊ノブさん)、「いつも楽しい。行くたびに若返るみたい」(仲間フミさん)と感想を話す。異世代が交流する同会でお年寄りは「元気」を、子供たちは「知恵」をもらっているという。
 昨年11月には、お年寄りと子供たちが池間小学校100周年記念ボトルを作って、資金を募り事業費として寄付。今年1月には札幌ウポポ保存会と交流会を持った。池間こども会や老人クラブ、婦人会、保存会が地域に伝わる民俗芸能を披露。池間島の伝統料理10品も振舞われ、芸能と食文化の交流は大きく盛り上がった。
 同会のこうした活動費はスタッフが負担しており、収益事業のない現在の運営は厳しい状況。前泊代表は「池間に関する事業については、私たちを使っていただくよう行政や企業にお願いしたい」と呼び掛ける。
 2月27日にはユニムイ広場で、植樹祭を行った。広場の愛称は、老いも若きも集える、憩いの広場という意味の「ムヤイーアスゥードゥクヌ」。約200人が参加し、約1・8ヘクタールの土地にフクギやイヌマキ、ツバキなど約千本を植え、芝も張った。育苗や苗、土、水の運搬、飲み物やパン、手袋などの無償提供など多くの業者が協力した。
 前泊代表は、協力に感謝した上で、「憩いの場、緑づくりは人々が豊かに暮らすための大事な要素。住み良い環境になれば、若者が増え島が活性化する。将来的には職場づくりも提案したい」と意欲を燃やす。(問い合わせ先:0980-73-0484)

 NPOとは 通常、民間非営利組織と呼ばれている。株式会社や営利企業と違い、収入から費用を差し引いた利益を関係者に分配せず、次の活動の費用にする。

写真説明(上左)・ユニムイ広場(池間小前)に約200人が集い約1000本の木を植えた
写真説明(上右)・きゅーぬふぅから舎は笑いと笑顔がいっぱい

  NPO法人いけま福祉支援センターの目標 

 @若者たちが安心して子供を生み育てられる島
 A子供たちが地域の大人たちに見守られ、健やかに育つ島
 Bお年寄りや障害を持った方々が、この島で生まれ、育ち、
   生きて良かったと思える島


民俗芸能の競演で盛り上がった札幌ウポポ保存会との交流会
 


子どもとお年寄りが一緒に池間小学校100周年記念ボトルづくり
 


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