近所4戸に 「緑と花の空間賞」 


緑の街角賞 受賞者宅紹介

 季節の花や庭木の緑がひとつながりで辺りに映える住宅地の風景。潤い豊かな植栽を織りなす隣り合う4戸(神里喜三郎さん、新里好広さん、友利誠永さん、下地孝さん)の住宅が合同で、緑の街角賞の「花と緑の空間賞」を受賞した。同賞を主催する平良市民運動実践協議会グリーン部会(友利吉博部会長)のキャッチフレーズは「緑の点から線へ、線から面へ」。住み良い環境づくりへの思いから生まれた緑の広がりが評価された。   (新城孝夫記者)



   
第22回緑の街角賞の「緑と花の空間賞」を受賞した皆さん。
左から友利誠永さん、神里喜三郎さん、下地孝さん、新里好広さん


 新里好広さん宅 ・赤レンガとカイズカイブキのコントラストの見栄えが良い


 下地孝さん宅 ・門から玄関までいろいろな花が咲き、訪れる客を歓迎

 4人の住宅が建ち並ぶのは、県営北団地北側(西仲宗根)の一角。路地に入ると、左手に神里さん宅がある。昔をしのばせる石積みは風流。門や庭にはペチュニアやベゴニアなどの花が色鮮やかに咲く。木もベンジャミンやゲッキツ、ヤシなど種類が多い。花の手入れは妻の加代子さん、庭木は喜三郎さんの役割。喜三郎さんは「緑や花は心を癒やす。庭は造るのも見るのも楽しい」と話す。
 神里さんの東隣には、同住宅地で最初に家を建てた下地孝さんの一家が住む。妻の幸子さんは、大の花好き。門から玄関までインパチェンスやベゴニア、キクなどが美しく咲き、訪れる人を歓迎する。「お客に喜んでもらえれば」との配慮だという。
 暇さえあれば花のそばで過ごす幸子さんは「愛情をかけたら、花はきれいに咲く。手入れの時は声も掛けるよ」と話す。苗もお裾分けしており、花を通して近所付き合いも深まっている。
 友利さん宅では、きれいに整枝されたクロキやイヌマキが目を引く。誠永さんは「木はかわいい生き物。美しく育つ姿を見るとうれしくなる」と手入れに心を注ぐ。
 新里さんの住宅は、赤レンガの塀とその内側の植栽帯に立つカイズカイブキのコントラストの見栄えが良い。レンガの塀は当初、約120センチほどの高さだったが開放的な住宅にするため2年前、約40センチに低くした。玄関口に鮮やかに咲く花は「ようこそ」と声を掛けているよう。妻の悦子さんは「きれいに咲いた時が一番うれしい」と話す。 

■緑の街角賞 緑の街角賞は友利部会長が提唱した。1983年に創設され、今年は22回目を迎えた。審査は先月28日に行われ、受賞者が決まった。22年間では約250の個人・公共施設が受賞し、美しい景観をアピール。受賞宅は地域に良い影響を与え、年々緑が広がっている。

写真説明(上)神里喜三郎さん宅 ・昔をしのばせる石積みが風流
写真説明(下)友利誠永さん宅 ・形のきれいなイヌマキとクロキの庭木が目を引く

 低い塀で庭の美を共有
      平良市民運動実践協グリーン部会長 友利吉博さん
 「緑の点から線へ、線から面へ」と広がった良い事例。お互いの庭造りや材料提供など、それぞれの庭に対して意見を交換し合っている。塀が低く抑えられ、庭の美しさが内外に共有されている。
 この事例のように、生活環境美化に対する思いが高まり、協力し合って緑づくりに励めば潤いある快適な地域はさらに拡大する。その好事例として期待したい。

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