生活習慣病予防を提案 


平良市食生活改善推進協議会

 日本人の死因の約6割を占めるとされる生活習慣病。平良市食生活改善推進協議会(下地弘子会長)は、そんな恐い病気の予防メニューの考案と普及に努める団体だ。推進員は主婦らで構成する134人。今年度は「地元の旬の食材」をテーマに活動に取り組んでいる。福島県西会津町など他の改善団体との交流も行い友達の輪を広げている。  (新城孝夫記者)



   
生活習慣病予防食の考案と普及に努めている
 平良市食生活改善推進協議会の皆さん

島 の 食 材 に こ だ わ り

 平良市保健センターが主催する食生活改善推進員養成講座(栄養教室)は、1996年にスタート。この年16人が修了し、同メンバーを会員に協議会が発足した。
 メニューは会活動の中で考案試作され、完成品は広報「ひらら」で紹介されてきた。その数は約120品。どれもが、体のことを考えた健康に良い自慢の料理だ。
 生活習慣病は脂肪分や糖分、塩分の取り過ぎなど食生活も一因とされる病気。このため、メニューは栄養士の奥浜智子さんが栄養価分析をした上で、紹介される。
 今年度は地元の食材を使った▽ニガナミソのなす揚げ▽冬瓜の島風シチュー▽昆布の酢の物▽パルダマのいため物―など15品を考案した。
 普及活動は▽婦人会対象の料理教室▽お年寄りが集うサロンでの試食・講話▽親子料理教室▽男性料理教室▽ヘルスサポーター育成(中学生対象)▽推進員個人による地域への料理紹介―など幅広く展開してきた。
 推進員の1人佐久本ヒデ子さんは、久松公民館で地域の若い主婦たちに、健康料理を教えている。食材は島で取れるアーサやモズク、ニガナ、ヨモギ、パルダマなど。「島の野菜は台風、干ばつ時でも絶えない。若い人たちには、地域の食文化を受け継いでほしい」と話す。数あるメニューのうち、「ニガナミソのなす揚げ」(料理紹介参照)は、苦いものが苦手な子供たちに好まれるよう工夫したという。
 2003年から活動に参加している狩俣静子さんは「健康に対する意識が変わった。体重のコントロールや、買い物の際も栄養バランスを考えるようになった。西会津町の人たちとの出会いなど、友達の輪も広がった」と話す。
 同会の活動は福島県西会津町など他地域の食生活改善推進員との交流も特徴。先月27日は8回目の交流会が、市中央公民館で開かれた。メニューは西会津町が「わらびの中華和え」など3品。平良市が11品。西会津町の1人は「カボチャのパンプキンサラダがおいしい。カボチャのサラダは初めて。ソーキブニも最高」と笑顔を見せた。

■生活習慣病 食生活や運動不足などが原因とされる。脂肪分や糖分、塩分の取り過ぎが良くないとされ、肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧などを引き起こす。がんや動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、肝機能障害なども生活習慣病に挙げられている。

 写真説明(上)・地元の食材を使って健康メニューづくり
 写真説明(下)・ご当地自慢の料理を囲み西会津町と平良市の皆さんが交流

  健康づくりの輪 広げる/会長 下地弘子さん
 近年、私たちの食生活は、食料が豊富になり生活の態様の変化や、食生活の不摂生などによって生じる生活習慣病の低年齢化が大きな問題となっており、子供たちの食生活の見直しは大きな課題であります。「長寿県沖縄」の危機は、子供たちの体にも忍び寄り、若い世代の疾病率が高くなっています。食生活を中心とした改善の道は私たち会員の地域に密着した啓発活動が求められていることを痛感します。
 沖縄には機能性の高い野菜が多いことは、全国的にも注目されています。そこで、今年度は「島の新鮮な健康野菜を使った生活習慣病予防食」をテーマに取り組んでいます。私たちは、地域の健康づくりの担い手として、これからも『食』を通して健康づくりの輪を広げていきたいと思っております。

◎ 健康料理レシピ ◎
         
(詳しいお問い合わせは平良市保健センター・電話:0980-73-4572)

 ・ニガナミソのなす揚げ




@ニガナは細かく切り、にんじんはみじん切りにする
Aフライパンにひき肉をいためコショウ少々振り掛け、ニンジン、ニガナを入れていため、砂糖、みそを入れて小麦粉を振り掛けてニガナみそを作る。12個に分ける。
Bナス1本を2つに割り、さらに縦に2センチくらいに切り分け1センチの包丁目を入れる。12個に切り分け切り込みに小麦粉を振り掛ける。
Cなすにニガナみそをはさみ、小麦粉を振り掛け卵をくぐらせパン粉を付けて、適量の油でからっと揚げる。
<栄養価>
エネルギー259キロカロリー たんぱく質9・2グラム 脂質16・1グラム コレステロール72ミリグラム 食物繊維1・9グラム 食塩0・8グラム

 ・冬瓜(トウガン)の島風シチュー




@豚肉、ニンジン、タマネギ、トウガンは2センチぐらいの角切りにしトウガンには、塩少々を振り掛けてしばらく置いておく。
A
モズクは洗ってザク切りにする。インゲンは3センチの長さに切り軽くゆでておく。
B
鍋を熱しマーガリンを入れ@を入れいためる。しんなりしたら水を入れAを入れ煮る。モズクでトロミが出てくるのでコンソメ、みそ、スキムミルクを入れインゲンを入れて仕上げる。
 ※冬まで保存がきくという意味で冬瓜(とうがん)。ビタミンCが豊富で、低エネルギー。沖縄の料理では肉汁や昆布と一緒に用いられる。
<栄養価>
エネルギー161キロカロリー たんぱく質10・8グラム カルシウム142ミリグラム 食物繊維5・1グラム 食塩1・1グラム

 

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