トライアスロン20回大会記念

 感動のゴールをで演出 

知的障害者授産施設 みやこ学園

 20回目を迎える全日本トライアスロン宮古島大会で、出場するトライアスリートのゴールを花で迎えようと、知的障害者授産施設みやこ学園(伊志嶺博司施設長)では今年も利用者が丹精込めて育てた色彩豊かな約2600鉢の花をゴール会場となる平良市陸上競技場に設置する。同学園は第12回大会からトライアスロン実行委員会の委託を受け、この試みを続けている。利用者らは一様に「私たちが育てた花が選手の安らぎになればうれしい」と大会開幕を首を長くして待っている。



園芸部を中心に利用者が一丸となって
トライアスロン大会に向けて色彩豊かな花を栽培した

真心込め2600鉢を準備

 同園では利用者の授産科目として「園芸」を行っている。同園で育てられる草木は産業まつりなど地域のイベントに出品されるが、毎回ほぼ完売するという。
 トライアスロンで設置する花はこれまで、サルビアとマリーゴールドで、色も限られていたが、今回は20回の記念大会ということもあり、サルビアに加え、赤、白、ピンク、紫など5色以上の花を咲かせるインパチェンスに変更した。
 同園では昨年9月に襲来した台風14号で草木を栽培するビニールハウスが倒壊。「園芸」の運営が不可能となってしまった。
 通常、トライアスロンに使用するインパチェンスとサルビアは花が咲くまでに2カ月かかるという。「遅くても1月には種をまいておかなければならない」と困った伊志嶺施設長は同学園の前身、腰原福祉作業所(平良市下里)に残っていた使われなくなったビニールハウスを利用者や職員らとともに修復して代替施設として使用した。

 インパチェンスとサルビアは同作業所のビニールハウスで今年1月に種をまいた。2月には小型のポット、3月には大型のポットへそれぞれ移植。同園利用者は園芸科目を担当する知念聡さん、根間玄孝さんの指導の下、丁寧に1つひとつの作業を黙々とこなした。
 4月に入り次々とカラフルな花を咲かせたインパチェンスやサルビアは現在、3月20日に災害復旧工事が終了した同園のビニールハウスに移され、出番を待っている。
 花は陸上競技場のほか、前夜祭が行われる平良市総合体育館にも設置し、華やかなステージを演出する。
 根間さんは「いろいろあって大変な年だったが、何とかトライアスロンに間に合わせることができてホッとしている。トライアスリートが花を見て『きれい』と思ってくれたらうれしい」と利用者を代弁する。
 伊志嶺施設長は「宮古島の一大イベント、トライアスロンで自分たちが一生懸命育てた花が使用されることは利用者たちの大きな自信と誇りにつながる。選手1人ひとりの感動のゴールシーンを花で演出できることが何よりうれしい」と心待ちにしている様子で話した。

 写真説明(上)・20回大会を記念して栽培した5色以上の花を咲かせるというインパチェンス
 写真説明(下)・まだ6分咲きというサルビア。トライアスロン大会の25日には満開になる



昨年同様、ゴールの感動を花で祝福する(資料写真)

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