風味豊かな黒糖をどうぞ
 
 
宮古製糖多良間工場

 多良間島にある宮古製糖多良間工場(仲間時次工場長)。1964年に農協工場として設立され、71年に宮古製糖と合併した。1日で250キロものサトウキビを処理できる県内で最も大きな黒砂糖製糖工場だ。黒砂糖としてはもちろん、お菓子や飲料品などにも多用されるなど、全国的に幅広く使用されている。黒砂糖が出来るまでの過程を紹介する。

 黒砂糖が

できるまで



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宮古製糖多良間工場。1976年に現在の場所へ移転した。製糖期には季節工など総勢72人が24時間体制で働く

   



B
集中脱葉装置で葉を取り除いたサトウキビをカッターで裁断する。さらに第2カッター、シュレッダーを通過し細かくされる



A 収穫したサトウキビを搬入する集積所。1日に約230トンのサトウキビが持ち込まれる

   



C 細かくされたサトウキビをローラーで絞る。三重圧搾機でサトウキビの汁を絞り出す



D 絞り集められたサトウキビの汁を糖汁加熱器で加熱。約100度の温度で熱し、その後、石灰を混ぜて上澄みと沈殿物に分ける

   



F
最後の煮詰め段階。ふるいや磁石で金属、不純物が取り除かれた液を約130度の高温で煮詰める



E
真空状態で熱を加え余分な水分を蒸発させる。4つのタンクで順に加熱し、ハイシラップと呼ばれるサトウキビ絞り汁の濃縮液を作り出す

 

 



G 冷却かくはん機で煮詰めたサトウキビの汁を冷やし、結晶状にして糖分を取り出す。結晶は紛状糖と固形糖に分けられる



H 製品として工場から出す黒砂糖を作る作業員たち。半練り状態の紛状糖を食べやすい大きさに分ける。固形糖は30|の箱詰めにし、取り引き業者などへ送る

 

 できあがり



 1月15日から製糖操業を開始した宮古製糖多良間工場。2月12日現在で約5900キロのサトウキビが搬入された。季節工など72人が24時間体制で働き、毎日黒砂糖の甘い香りを工場周辺に漂わせている。
 仲間工場長によると、今年の黒砂糖の出来は10数年ぶりの高品質。平均糖度は14・8度で最高糖度は17・9度。基準糖度帯(13・1−14・3度)を上回る。黒砂糖はサトウキビの品質に影響されるが、今年は黒穂病対策として植え付けられた農林15号が予想以上の出来となった。
 仲間工場長は「黒砂糖を作っている7工場の中でも1番大きい。品質も世界一」と評価。同製糖の新城淳作常務は「食べたり使っていただいた方から『おいしい』と言われている以上、ますますの品質向上を目指して努力していく。数ある中でも、いい黒砂糖は食べれば分かる。いい黒砂糖を作るため技術も高めていきたい」と意気込みを見せた。

写真説明・宮古製糖の新城淳作常務取締役(右)と宮古製糖多良間工場の仲間時次工場長。味、風味豊かで栄養価も高い多良間産黒砂糖をピーアールする

 

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