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バリアフリーの島づくりに熱い思い

体の不自由な人のダイビングをサポート
 
宮古島マリンリゾート協同組合

 
 カラフルな熱帯魚が泳ぎ回り、差し込む光りに鮮やかに映えるサンゴ。宮古島マリンリゾート協同組合(理事長・清水伸一、組合員10人)は、体の不自由な人にも宮古の美しい海を楽しませたいと思いを強くする仲間の集まりだ。昨年は平良市身体障害者福祉協会(与那覇正規会長)とタイアップして、初のバリアフリーダイビング宮古島大会を開き、「竜宮の世界」に体の不自由な皆さんを案内した。今年の大会は9月28日を予定している。

 

前列左から矢中培雄、岡村清志、清水伸一、中谷清治、後列左から山中勝志、清水宏徳、木村浩之、新村一広

 ダイビング事業者で構成する宮古島マリンリゾート協同組合は、2001年4月に設立され、活動の柱に「バリアフリー」を取り上げた。
  同年12月には、宮古でバリアフリーダイビングインストラクターの養成講座を開き、9人が免許を取得。これにより、体の不自由な人のダイビングサポートが可能になった。
  「バリアフリーダイビングのことを、ラジオで偶然に聞いた。手話サークル仲間の清水さんに体験ダイビングを頼んだら、引き受けてくれた」(与那覇会長)。同要望を受けた第1回バリアフリーダイビング宮古島大会は、02年10月に開催され、6人が初体験をした。

 バリアフリーダイビングは、体の不自由な人を2―4人のインストラクターがサポートする形で行う。大会では最初にプールで練習し、本番は伊良部町の海に潜った。
  深さは5―15メートル。初めて海中を泳いだ足の不自由な新城国弘さんは「すごく胸がドキドキしていたが、半分うれしかった。まるで夢の世界だった。魚やサンゴが素晴らしかった」と、当時の感動を話した。
  与那覇さんは「(大会を)やって良かった。みんなの自信につながった」と喜び、今後に向けて「宮古島では多くのダイバーが(バリアフリーダイビングの)ライセンスを持ち、安全に泳げることをうたい文句にしたら、宮古のPRになる」と話した。

  全国のバリアフリーダイビングインストラクターの免許所持者は26人で、うち宮古が9人と人的受け皿は宮古が進んでいる。専務理事の中谷清治さんは「バリアフリーの社会づくりは、時代の流れ。しかし、宮古では現在、交通機関やホテルなどのバリアフリー施設が整っていない。

 
レギュレーターという呼吸装置をつけて、呼吸の練習をする参加者


昨年10月のバリアフリーダイビング大会の練習には翔南高校のダイビングプールを利用した。参加者たちはインストラクターの指導のもと呼吸やバランスの取り方などを習得した

組合としては、バリアフリーダイビングをきっかけに、今後、全体のバリアフリーを呼び掛けていきたい」と、方針を話した。
 清水理事長は「私たちは海の恩恵を受けている。このことに感謝し、恩返しできのがバリアフリーダイビング。る今後、バリアフリーの島といわれるよう、普及に努


喜びのVサイン。大会本番は伊良部町下地島近くの中の島チャネルというダイビングポイントで行われた。参加者たちは熱帯魚やサンゴ、海中遊泳に感動していた
 

めていきたい」と抱負を語った。
  同組合が取り組むバリアフリーダイビングは、インターネットで全国に発信され、昨年は約50人が利用した。
 組合の活動には支援の輪が広がり、今年の6月末には「バリアフリーダイビングの為のチャリティーフェスタ」が、マティダ市民劇場で開かれ、保育園児や琉舞・日舞の各教室、バレエスクールなどが舞台に立った。

【 バリアフリー 】 高齢者や障害者が生活していくうえで障害になっているものを取り除くこと。

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