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環境愛護の心育つ
 
実践教育 実を結ぶ
 
城辺町立砂川小学校

 私達は、環境美化のため進んで行動しています―。城辺町立砂川小学校(池間巌校長)の児童たちは、毎朝竹ぼうきを手に校庭を清掃。「ごみゼロの日」の先月30日は、全員で学校周辺のごみ拾いをした。現在の5年生は4年生の時の総合学習でごみ問題を調査。同校では、さまざまな実践活動が実を結び、児童たちに環境愛護の心が芽生えている。今月は環境月間。同小学校の活動を紹介する。

kagi030607-1.tif (214600 バイト) 砂川小学校の環境学習は、2002年度から取り組んでいる金銭教育の中に位置づけている。金銭で買う商品や資源を大切にすることが、お金の節約と同時に環境保全やごみの量の減少に結び付くとの考え方からだ。
 同学習の一環として昨年11月には全校生徒が、学校周辺でごみ拾いを実施。今年は先月30日の「ごみゼロの日」に、父母も一緒になりクリーン活動を行った。
 
 写真説明・砂川小学校の児童たち。日頃から環境美化活動を頑張っている

kagi030607-3.tif (178048 バイト)◇ ごみ問題を追う/総合学習
 
 今の5年生が4年生の時に「ごみから何が見える?」のテーマで取り組んだ。
 最初は学校周辺で、ごみを拾いその実態を把握。この中から7グループが課題を見付け、アンケート調査や調べ学習などをした。
 ポイ捨て調査班は、1年から6年を対象に「ポイ捨てをしたことがあるか」「ぽい捨ての理由」などの項目でアンケート調査をした。結果は「ポイ捨てしたことがある」が131人中、109人。理由を聞いたところ「ごみ箱が近くにないから」が1番多かった。
 不法投棄調査班は、放置車両や捨てられた家電などの実態を調べた。その結果、家電が山の中に多く捨てられ、放置車両は宮古全体で2968台(2000年12月現在)に上ることを知った。理由については「自動車のリサイクル施設がないから」「お金がかかるから」などの実情を浮き彫りにした。
 この学習の内容は、先月30日に宮古少年自然の家で開かれた「ちゅら島環境21in宮古」で発表した。
 総合学習の時間ではほかに、ポイ捨て防止を呼び掛けるポスターも作成し学区内の店などに掲示した。
 総合学習を担当した前泊直子教諭は「『ぽい捨てしたら子供に叱られた』『ごみの分別を子供から習った』などの声が親から寄せられている」と、環境教育の効果を話す。
 
 写真説明・総合学習の内容を発表する児童たち(左から久貝仁人君、高橋梨沙さん、西島秀君)=5月30日、宮古少年自然の家

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全校児童が午前8時から竹ぼうきを手に清掃する

◇ 竹ぼうきはネーム入り
  身近なところから環境を大事にする心を育もうと毎年継続して実施している。140人の児童たちが手にする竹ぼうきは、すべてネーム入り。掃除は午前8時から始まり、掃き集めた落ち葉などは、1カ所に集め腐葉土にする。この土は草花栽培に利用され、校庭を彩る美しい花々の栄養源になっている。
 
【 環境月間 】
  1972年にストックホルムで開かれた国連人間環境会議で、日本が開催を記念して6月5日からの1週間を「世界環境週間」とするよう提案した。国連はこれを受けて6月5日を「世界環境デー」と定め、各国ではこの日に環境保全の重要さを知らせ、人々を行動させるための行事を行っている。
 日本では73年から6月5日を初日とする1週間を「環境週間」とし、91年からはこれまで以上に意識を持たせることや行動を促すため、6月の1カ月間を「環境月間」に設定した。
 環境問題は、大量にあふれ出るごみや、地球温暖化など数多い。これらの問題を解決するには、資源を循環(じゅんかん)させる社会のしくみづくりが必要と言われている。
 宮古では、ごみのポイ捨てや家電や車をこっそり山の中に捨てている状況、車解体業者の違法な保管などが、問題になっている。

◇ 児童、父母ら一緒にごみゼロ大作戦
 
kagi030607-4.tif (177970 バイト) 児童らは「宮古島をきれいにするぞー。エイ エイ オー」の雄叫びを挙げて午前9時ごろ出発。ごみ袋を手にした児童たちは、道路わきの木の茂みや草むらをのぞき込んだり、排水溝に入ったりして空き缶やビニール、吸い殻などのごみを拾った。中には、洗濯機の一部とみられる粗大ごみも。これらのごみは6種類に分けて袋に入れ、分別の仕方を現場で勉強した。
 母親の友利正代さんは「子供たちは目がいい。細かいごみまで拾う。普段の生活にも取り入れてくれれば良いがね。ごみの中では吸い殻が目立った」と感想を話した。
kagi030607-5.tif (176932 バイト) 児童たちは午前10時ごろ、幼稚園前の広場に集まり、ごみ袋が山積みされた。
 集めたごみを前に集会が開かれ、池間校長は「このごみは誰が捨てただろうか。多さにびっくりしている。地球ではごみ問題のほかにもいろいろ環境問題がある。地球を良くするのも悪くするのも人間。地球をみんなで守っていきましょう」と話した。
 子供たちはこの日の活動について感想文を書き、同作文は掲示板に貼り紹介された。友利彩希さん(4年)は「1番多かったのは空き缶です。7袋ぐらいでした。畑にも草むらにもいっぱいごみがありました。ぽい捨てしないでほしいです」と、マナーの悪さにあきれた様子。高橋梨沙さん(5年)は「みんながごみを捨てなければ、きれいな宮古島になります。ぽい捨てをやめて、きれいな宮古島にしていきましょう」―と呼び掛けた。
 
写真説明(上)・先月30日のクリーン活動では、親子が一緒になりごみを拾った
写真説明(下)・クリーン活動後、多くのごみ袋が幼稚園前の広場に集められた

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