住まいに彩り添える 〜 カラフルな小物・置物を手作り 〜 平良市中央公民館 muuトールペインティングサークル
花や果物、風景などが美しく描かれた小物やかわいらしい子供の形の置物。 「muuトールペインティングサークル」(講師・高田美幸、会員15人)は、そういう絵付け工芸を楽しむ仲間たちだ。サークルは毎週1回、平良市中央公民館で開かれ、丹精込めて作った作品は住まいに彩りを添えている。
トールペインティングのトールは、ブリキを意味するフランス語。18世紀ごろのヨーロッパで、王室の室内装飾にブリキに絵を描く技法が用いられ、これが同工芸の始まりとされる。 その後、アメリカに渡り技法がマニュアル化され世界中に広まった。日本には20年ほど前に入り、誰にでもできるアートとして親しまれるようになった。 高田さんは2年前、夫とともに宮古に移住した。来た当時、特技を通して宮古の皆さんと「仲良くなれれば」と、平良市中央公民館に講座開設の話を持ち込んだところ、2つ返事でOK。講座は同年(2001年)7月から始まり、サークルはこれを発展させ同10月からスタートした。 トールペインティングは初心者の場合、@絵を描く素材を購入する(現在は木製品が主流)Aこれをペーパーで磨き下塗りするB図案を書き写すCこれに専用の絵の具で色を塗る1の手順で行う。 今月上旬のサークルには、数名の会員が参加し制作に熱中していた。トールペインティングの絵は光と陰が際だつ立体感が特徴で、会員らは美しいバラの絵などを描いていた。 平良恵子さんは「出来がどうこうでなく、自分が作った作品には愛着がある。また、制作中は夢中になり心が安らぐ。息抜きにとても良い」と、良さを強調。 田名悦子さんは「いろいろな物が作れるのが楽しい。欲が出て、次から次へと挑戦したくなる」とぞっこんの様子だった。田名さんは作品が出来上がると、うれしさのあまり、友人を招いて見せるという。 高田さんは「トールペイントは、自由に好きな時間に好きな作品を楽しめるのが一番。多くの人が楽しんでほしい」と話した。 トールペインティングではほかに、使い古した家具やペットボトル、空き箱などに絵を描き再利用を可能にすることも利点として挙げられている。 写真説明(上)・前列左から上地安子、高田美幸、平良恵子、上地さおり、後列左から田名悦子、宮城理恵、井辻信代(敬称は略させていただきました) 写真説明(下)・サークルの活動風景。トールペインティングを楽しむメンバーたち
高田美幸さんの作品 「マガジンボックス」 色調が全体的に落ち着いた作品。力強く同時に繊細なタッチのチューリップやワイルドローズはつい、目を引き込む。ヨーロッパ的な素材を生活にとけ込むように仕立てた。
田名悦子さんの作品 「ウェルカムボード」 楽しく描けている。アヒルや馬車が、のんびり歩くアメリカンカントリー調の風景は、見る人の心を和ます。細かく描かれ、木の立体感もうまく表現した。家庭に1つあると楽しい作品。