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歩道もうちの庭

大山忠次さん 街角緑化に熱意

第20回緑の街角賞 植栽美化賞

 住居の塀にツタが這い歩道にブーゲンビリアの鉢が並ぶ、道路と一続きの大山忠次さん(82)宅=平良市東仲宗根241=の植栽。「道路を飾る気持ち」で取り組んでいるという。この街角緑化への熱い思いとまめな手入れが評価され、今年の「緑の街角賞」では、植栽美化賞に選ばれた。

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 2階から垂れ下がるカエンカズラや歩道のブーゲンビリアが道行く人々の目を楽しませている

<<講評>> 市民運動実践協グリーン部会長 友利吉博氏
 塀の外側に花壇を設置したのは、宮古ではおそらく大山さんが初めてではなかったかと思う。住居(内側)からは見えないが、通行人の目を和ませており、公共性があって素晴らしい。
 宮古の住居の塀は、大型台風(サラ、コラ、デラ)の襲来後、石垣からブロックに変わった。これが、景観を損ねているため、部会では塀の緑化を奨励している。大山さんのような庭づくりが、ほかにも波及し緑の塀は増えてきた。
 大山さんは無言実行の人で、行動で美化に尽くしている点が素晴らしい。いつ行っても、庭の手入れは行き届いている。四季それぞれにふさわしい花を年間を通して咲かせ、潤いの空間を造り上げている。

・緑の街角賞
 主催は、平良市民運動実践協議会グリーン部会(友利吉博部会長)。1984年に創設された。「緑の点から線へ、線から面へ」がキャッチフレーズ。各賞を設け、これまでに約220の個人・団体を表彰している。

kagi030323-2.tif (164872 バイト) 忠次さん=写真=は、平良市地盛の出身。実家の庭にきれいなイスノキの並木があり、亡き父がいつもハサミを入れていた。そんな父の姿を見て、幼いころ庭造りに興味を持つようになった。
 40年前、現在の屋敷に住宅を構え、23年前に2階建てを新築した時から、本格的に庭造りを始めた。
 ブロック塀を這うツタは、一見多くの株から生え広がっているように見えるが、実は1本の株だ。18年前に植えたツタは、塀の表面に添って茎を伸ばし現在は、面を潤いのある緑に変えた。
 2階から垂れ下がるカエンカズラは、15年前に植えた。茎が2階に這い上がり、住宅の正面を緑と花で包んでいる。花火を思わせる花は美しく、鮮やかな採光を放つ。
 塀の外には花壇があり、キクやサルビアが咲く。「庭を外に向けたい」。そんな思いを象徴するもので、この花壇は以前の街角賞で「アイデア賞」を取った。大山さんの助言を受けて造った同様な花壇が、向かいの空き住宅にもあるが、主はいなくても季節の花を咲かせている。
 歩道にはプランターに植えたブーゲンビリアなどがズラリと並び、街路樹のクロキも形良くせん定され、道行く人の心を和ます。
 街角緑化への気遣いは、近所にも伝わり花鉢が歩道の所々に置かれるようになった。「一帯の道路が花と緑でいっぱいになってほしい」と、期待する。また、歩道の植栽マスの増設を要望した。
 庭には、枝を扇形に仕立てたクロキやマツなどがあり、目を引く。枝ぶりは美しく、とても素人技とは思えないが、盆栽を本格的に学んだことはなく、我流だという。ただ「1本、1本苗のころから真心込めて育ててきた」と話す。

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 ブーゲンビリアの鉢がずらりと並び歩道を飾る
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 塀の外の花壇。キクやサルビアが咲き壁面はツタが覆う
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 塀の内側の花壇。花と緑にあふれる庭は豊かな空間

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