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ツバキ

冬の宮古に開花 美しく精彩放つ

移入で種類増加 多彩に花咲かす

 寒風吹く季節に、精彩を放つツバキの花。宮古でも多種多様な花が咲いている。花がぽとりと落ちるところから昔は縁起が悪いとされたが、今ではそういう声もあまり聞かなくなった。花の美しさにひかれて島内でもツバキ愛好者が増えている。花の宮古づくり推進事業では、97年から5年間にヤブツバキが1万3000本植樹された。それが年々成長し、市町村の道路沿いなどで花が目に付くようになってきた。愛好者により、品種も増え続けている。各所を訪ねて宮古に咲くツバキの多彩な美しさを見ることができた。それらを写真で紹介する。ここに取り上げたのは宮古森林組合、平良市の来間清典さん、大山高春さん、饒平名廣さん、瑞慶覧久雄さんらが育樹するツバキ。品種名と特性を記した。
 (編集局・川満幸弘)

【 ツバキで花の宮古を 】
宮古森林組合常務理事 来間清典さんの話
 ツバキの良さとして▽花を咲かせる▽実からは油がとれる▽小鳥を寄せ付ける▽台風にも強い▽花期も宮古で12月から3、4月までと長い―などが挙げられます。
 宮古には在来のヤブツバキがあります。家の庭木として大事にしている人も多いし、広い敷地に数多く植えている人もいます。県宮古支庁が1997年度から2001年度まで5カ年計画で実施した「花の宮古づくり推進事業」では、宮古6市町村で植樹祭を行い、在来の花木・ヤブツバキを中心に植樹しました。この5年事業で1万3000本余のヤブツバキが植えられました。この事業をきっかけに集落での植樹の取り組みもありました。今ではあちこちの道路沿いや公園で花を咲かせてきています。苗木は宮古森林組合で育成したものです。
 ヤブツバキは昨年11月に沖縄県の造林樹種にも承認されました。今後島の造林でどんどん増やしてほしいものです。
 在来のヤブツバキは濃紅色の幾分小粒な花が主流ですが、いくらか違う種類もありますし、驚いたことに白い花も見られます。
 また、最近は宮古でも観賞用に多くの種類のツバキが移入されており、大輪や、白、ピンクなど多種の花を咲かせています。その種類は現在、100種程にも達しています。それらを目にしてツバキを植える人が増えればと思います。宮古で花と緑の造林を進めることで住み良い環境をつくり、観光にも結び付けることを期待する次第です。

〈 ツバキ 〉
 ツバキ科ツバキ属の常緑高木。学名:Camellia japonic サザンカも仲間の一種。原産地は日本の太平洋沿岸。本州から琉球列島、朝鮮半島の海岸線まで幅広く分布。品種は大変多く、日本産だけでも2000種以上はあるとされる。花色と花形は多彩、葉はつやがある。花期は11―4月、種子から油がとれる。花言葉は赤が「気取らない優美、控えめな美徳」、白が「申し分のない魅力、最高の愛らしさ」。

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平良市の大山高春さん宅のヤブツバキの古木。樹齢約100年。毎年、旧正月のころ花が満開になるという。平良第一小学校の近くにあるため、子供たちにも評判だ。登下校のときに花を眺めて楽しんでいる


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   ヤブツバキ(紅)
  宮古産。濃紅色の一重、筒咲き、小輪。


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   ヤブツバキ(白)
  宮古産。白の一重、筒咲き、小輪。


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