続・花は島いろ

「人生は明るく楽しく」

ネットワークこころ代表

下地 則子(のりこ)さん(52歳)

(平良市西里出身)

 「太陽」「ひまわり」。そんな形容がぴったりの女性だ。長年、テレビ・ラジオのアナウンサーや司会、講師を務め、さわやかな声と笑顔で人々を元気づけてきた。台風に遭い足止めされた観光客や海外の難民に支援を差し伸べるボランティア活動家でもある。
 小学校から高校まで、運動会などイベントの時は、いつも放送席に座っていた。そのころから「将来の職業はアナウンサーが向いているのではと、感じていた」。
 一九七五年に、文教女子大学短期学部文芸科マスコミコースを卒業。同年、琉球放送と専属契約を結び希望がかなった。
 県内のホットなニュースを伝える花形番組「エリアレポート」のパーソナリティーをはじめ、「先島アワー」や「コーミンヒットパレード」などの番組も担当した。テレビが育てた知名度は高く「エリアレポートはいつも見ていました」と声を掛けてくる人は今も多い。
 三十歳の時に結婚。いったん家庭中心の生活になったが、「司会とか頼まれるうちに、いつの間にか元に戻った」。現在は司会、週四回の講演、ボランティア、RBCラジオ出演(毎週土曜日午前十時十分、下地則子の生き生きタイム)と忙しい日々を過ごす。「人生は心の持ち方。どうすれば楽しく生きられるかを考えている。自分にとっては人生そのものが遊び。だから忙しくても楽しい」。前向きに明るく、楽しく生きることを信条に長い道を歩んできた。
 県内各地で、「楽しく生きよう」をテーマに開いた公民館講座は発展し二〇〇〇年、ボランティアグループ「ネットワークこころ」の発足となった。会員は受講生の女性たちを中心に百人以上。モンゴルのマンホールチルドレンやエチオピアの難民、難病の子供たちの支援活動を展開。昨年から、台風ボランティアにも取り組んでいる。
 台風ボランティアは、第一、第二、第三の宮古島台風の際に助けてもらった宮古の人たちの呼び掛けで、始まったという。昨年は、台風に遭い空港で足止めされた五十家族、二百九人を会員宅に招き宿泊させた。
 「手助けしたら人は喜んでくれる。それがボランティアの原点です」ときっぱり。また、「人のためにやってあげることによって、自分がいい人になれる。自分にハッピーをいっぱいプレゼントするように行動している」と話す。
 古里宮古への思いは強く「不可能に思えることを宮古の人は可能にする不思議な力がある。トライアスロン誘致もそうだし、プロ野球キャンプもそう。宮古のDNAが自分の中にあることはラッキーだと思っている」と、則子スマイルを見せた。
 下地 則子(しもじ・のりこ) 1953(昭和28)年3月15日生まれ。平良市西里出身。71年宮古高校卒業。75年文教女子大学短期学部文芸科マスコミコース卒業。同年、琉球放送と専属契約を結び、タレント活動を開始。「エリアレポート」や「先島アワー」、「コーミンヒットパレード」などに出演する。現在は司会や講師、ボランティアを中心に活動。司会は小泉内閣の国民対話「タウンミーティング」、県立武道館、県女性総合センター「てぃるる」、県立公文書館の会館式などの大役も引き受けた。夫光夫さんとの間に娘1人。

                                                      (那覇支局・新城孝夫記者)

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