続・花は島いろ

「本当の観光資源は人材」

NPO法人沖縄観光産業研究会副理事長

新城 朝吉(しんじょう ちょうきち)さん ( 64歳)
 
(平良市西里出身)

 【那覇支局】「本当の観光資源は人材だ。観光客に接する1人ひとりがおもてなしの心で接することが大事。環境問題1つとっても、良くするのも悪くするのも人間。すべての県民がホスピタリティーマインドを高めることで、観光施設や自然、文化、伝統芸能などに付加価値が付き、魅力が増す」
 観光業界で長年の幅広い活動の経験から、新城さんはそう言い切る。
 一昨年まで那覇市のロワジールホテルズ沖縄専務取締役総支配人を務めた後、昨年2月からNPO法人沖縄観光産業研究会(OSI)の副理事長として沖縄事務所を任されている。傍ら、県観光人材育成検討委員会の副委員長など、観光行政のアドバイザーも務める。
 OSIは、2002年4月に東京で発足し、理事長は明治大学政治経済学部教授の百瀬恵夫氏。ホテルやバス会社、旅行代理店、酒造会社関係者が主な会員。沖縄観光について各方面で提言している。百瀬理事長の頼みもあり、新城さんは副理事長を引き受けた。
 沖縄での現在会員数は30人。昨年は「チーム美らサンゴ」が主催したサンゴの植え付けやサンゴシンポジウムに協力団体として参加。また、台風時の観光客支援ボランティアネットワークに参加し、台風で那覇空港に足止めされた観光客142人をボランティア家庭に案内して喜ばれた。「沖縄での会活動はまだ始まったばかり。いろいろな事業を行うため会員を増やしていきたい」と意欲を見せる。
 「自然環境保全やホスピタリティー向上のための人材育成などで、観光産業を沖縄の真の基幹産業にしていく」ことを目指している。
 県は11年には観光客650万人、観光収入7000億円を目指す。「その目標達成のためにも沖縄観光の質の向上や新しい観光、観光素材の創出を真剣に考えなければならない。観光に従事する者たちの地位の向上も大切」と、観光産業の進展を重視。「観光は行政の役割もあるが、民間団体でどうできるか、皆が連携する必要がある」と指摘。そして「人材育成ではホスピタリティー(温かくもてなす心)を強調している」と言う。
 宮古の観光振興については、「10年、20年後に宮古をこうしようという展望が大事。宮古の人のホスピタリティーやトライアスロンのときに受けるバイタリティーの発揮、あるいは宮古全体を花の島にするなど、宮古を売り出すための魅力づくりが必要」と提言した。

 新城 朝吉(しんじょう・ちょうきち) 1941(昭和16)年2月4日生まれ。平良市西里出身。宮古水産高校卒。八重洲セントラルホテル設立・専務取締役、沖縄県人材養成センター設立・代表取締役などを経て、93年ロワジールホテルズ沖縄専務取締役総支配人。04年2月からNPO法人沖縄観光産業研究会副理事長。同年11月から県観光人材育成検討委員会副委員長も務める。観光功労で02年那覇市長賞、03年県知事賞受賞。趣味は読書、囲碁、旅行。妻の美代子さんとの間に2男1女。
  
                                                    
(編集局・川満幸弘)

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