続・花は島いろ

全国に品物出すのが夢

新地で沖縄そば屋「我如古」開業

貝 文宏 さん(33歳)
 
(下地町川満出身)

  【那覇支局】「お客さんから『おいしかったよ』と喜ばれるのが、一番うれしい。やりがいを感じる」。人生の新たなスタートで沖縄そば屋を開業してから1年3カ月。たべあるき味百選店の看板も掲げ、客の評判も広がってきた。
 四年前に宮古を離れ、浦添市内間にある「我部祖河そば」の店舗に勤めた。「料理はもともと好きだった。学生時代にラーメン屋でバイトをしていたこともある」。そば屋で修業を続けて3年。独立を決意し、店舗を借り受け、昨年7月から沖縄そば屋「我如古」を開業した。店名は前所有者の店名をそのまま引き継いだ。
 翌月には那覇市出身の未央さんと結婚。夫婦で店を経営する。今年、長男の有生くんが誕生し、子育てしながら店を開ける。営業時間は午前11時から午後9時まで。
 「ソーキそば」が一番の人気。「肉は特製のたれで何時間も煮込んで柔らかくし、味も濃くしてある。豚骨のスープは格別だよ」とさりげなく売り込む。オリジナルの「我如古そば」や「3枚肉そば」「野菜そば」も含め、そばをメーンにしながら、チャンポンや野菜いため、おにぎりなどのメニューもそろえる。
 懸命に味作りに励むうち、先月、全国のグルメや味の探訪、観光旅行の関係者で組織する任意団体「全国くいしん坊友の会」(木村泰志会長)が、多方面からの評価を基に「たべあるき九州・沖縄味100選店」に同店を選定。思いがけない朗報を受け、今やその看板も掲げてがぜん張り切っている。「この店を繁盛させて、商品をパックにして全国発送できるようにしたい」と、夢を膨らませる。
 未央さんは「常連が毎日来る。接客は好きな方なので、この店をやっていて楽しい。知人や友人も、話を聞いて訪ねて来る」と、明るい笑顔を見せた。
 久貝さんは故郷について、「宮古の人は情が深いのと、団結力がある」。それが印象深いという。将来、その宮古にも商品を出したいと思っている。

 久貝 文宏(くがい・ふみひろ) 1970(昭和45)年1月20日生まれ。下地町川満出身。下地中、興南高校、東海大学卒。下地町教育委員会(1年半)、宮古島上水道企業団(6年)勤務後、99年に沖縄本島へ。浦添市の沖縄そば屋で3年間修業した後、02年7月に独立し沖縄そば屋「我如古そば」(内間店)を開業。翌月に結婚。妻・未央さんとの間に1男。趣味はバスケット。
    
                                                                (編集局・川満幸弘)

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