2002年8月、那覇市港町にある「かんぽレクセンター那覇」の総統括マネージャーに就任した。簡易保険加入者の健康増進を目的とした施設で、室内温水プール、体育館、トレーニング室、フィットネススタジオ、カラオケルーム、サウナなどを利用することができる。
郵便局長などの経験はあるものの、「レクセンターは、これまでの仕事とはまったく畑違い」だった。当初は戸惑いもあったが、「お客様と接する仕事に変わりはない」と吹っ切った。
「明るく元気に笑顔で楽しく」。もう1度来たい、と思われるような施設を目指している。
職員には「お客様第一」を徹底させている。
「プールや体育館などはどこにでもある。その中で、レクセンターを使ってもらうには何か付加価値がなければならない」。少しでも利用者に満足してもらうサービスを心掛けている。
一方で、事故を起こさないようにするトップとしての責任もある。レストランや大浴場なども併せ持つだけに気を使う場面も多い。
バレーボールなどの県大会に参加する宮古の中学生、高校生らは宿泊施設として利用している。
格安料金に加え、センター所有のマイクロバスで空港や試合会場までの無料送迎を実施しており、保護者らの経済的負担の軽減につながっている。
「地域に貢献する、地域に喜ばれる施設というのがかんぽレクセンターの理念でもある。離島の不利性を克服して、故郷の後輩たちが活躍する姿を見るのはとてもうれしい」と話す。
今年度は城辺町郷友会の副会長も務める。
「生まれ島で一生を終えたいというのは誰もが思うこと。しかし、島を出ることを余儀なくされた人もいる。1人ひとりは弱い存在かもしれないが、郷友同士が集まれば何かできることがあるはず」と郷友会の活動に意欲を示す。
趣味はダイビング。「陸と違う動植物に出会うことができる」と、月に1度は潜りに出掛ける。
荷川取 哲夫(にかどり・てつお) 1942(昭和17年)11月16日生まれ。60歳。城辺町福里出身。城辺小・中、宮古水産高(10期)、沖縄国際大学卒。八重山郵便局長、那覇東郵便局長などを経て、沖縄総合通信事務所郵政事業部長を最後に勧奨退職。02年8月から現職。妻美智子さん(60)=城辺町福里出身=との間に2男。
(那覇支局・福元大輔)
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