93歳、熟練の技

長間 シゲさん(93歳)
1923(大正2)年12月18日生まれ

(下地洲鎌)

長間 シゲさんganzurogo.tif (147800 バイト) 宮古上布にかかわって七十七年。初めて上布を織った十六歳の時から、仕事の丁寧さには定評があった。
 今も毎日、自宅の横にある小屋でブーを績む。「体が覚えているからね」と話に夢中になっても熟練された指先は止まらない。
 太陽の光に透かすと見えなくなるほど、細く均一に整ったブーを一本一本絡まないように巻いていく。
 集中したら周りが見えなくなるシゲさん。「戦争中、上布を織っていたら、家のすぐ隣が機銃掃射を受けてびっくりしたよ」と空襲に気付かずに、危うく命を落としかけたこともあったとか。
 沖縄本島で看護師をしていたひ孫が、一日付で宮古病院の配属になった。
 健康で病気知らずのシゲさんだが「ひ孫の頑張っている姿を見て、元気をもらって来るさ」と病院に行く楽しみも増えた。
 子ども三人、孫八人、ひ孫十六人。
                                  (坂本慧)

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