磨き続ける囲碁の腕

奥平 恵道(けいどう)さん(84歳)
1922(大正11)年4月10日生まれ

(平良字西里)

奥平 恵道さんganzurogo.tif (147800 バイト) 「健康の秘訣(ひけつ)は囲碁。長時間、頭を使っているからね」と奥平さん。十一日に行われた宮古本因坊戦の予選でも二回戦へ勝ち進み、予選リーグ突破とはならなかったもののベテランの意地を発揮した。
 奥平さんが囲碁と出会ったのは昭和初期、床屋の見習いのために台湾に渡った時だった。「店内に囲碁台が置かれてあったから、仕事の合間に他人が打っているのを見て自然と覚えました」。
 その後、戦争でインドネシアに派兵され、密林の奥深くでの潜伏生活が始まった。飢えと不安で眠れない夜。奥平さんは囲碁を思い出し、厚紙を油で揚げて碁石≠作った。
 「薄い紙ではすぐに汚れてしまうから」と炊事班の役得を生かした碁石で部隊の仲間と打った囲碁は、生涯忘れることのできない思い出だ。
 来年は囲碁歴、床屋歴ともに七十年の節目の年。本業にも囲碁を打つ手にも力が入る。
 子ども四人、孫八人、ひ孫一人。
                                  (坂本慧)

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