自転車と歩んだ人生

瑞慶山 良進(りょうしん)さん(83歳)
1923(大正12)年6月20日生まれ

(平良字下里)

ganzurogo.tif (147800 バイト) 終戦直後、平良港からポンポン船に乗り、両親と弟妹の疎開先台湾に向かった。そこで最初に目にしたものが、港に山積みされた旧日本軍が残した数々の軍事品だった。
 けが人搬送の任務が済み、軍を除隊した良進さん。十六歳から徴兵されるまで働いていた自転車屋での知識を生かし、旧日本軍から譲り受けた二百台余りの組み立て前の自転車で念願だった店を開いた。
 その後、約半年して日本に帰国。故郷、宮古島で自転車屋を始めた。数年後、下里通りに住居兼店舗を構え、八十歳で店を閉じるまでの半世紀、「愛輪舎の店長」として皆に親しまれてきた。
 現在は仕事に追われる日々を引退し、妻のハルさん(79)と愛犬メリーと、ゆったりとした生活を送る。ハルさんは「働き者だけど、家族も大切にする人」と夫を紹介。そこには苦楽を共にし、揺るぎないきずなで結ばれた夫婦の姿があった。
 子ども四人、孫十一人、ひ孫一人。
                                  (坂本慧)

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