ゲートボールの開始時間が近づく午後三時前。愛車のカートに乗り、サトウキビ畑から妻のキヨさんが待つ自宅へ急ぐ寛辰さん。
二人の趣味はゲートボール。寛辰さんはまだ初心者だが「思ったように玉が転がり、最後の棒に当たったときが最高」とすっかりゲームのと
りこになった。
「若いころ、そこへ通うことが一番の楽しみだった」と話す「トゥンカラヤー」で妻のキヨさんと出会い、二十六歳で結婚。現在もお互いを思
いやる、良きパートナーだ。
七年前事故に遭い、寛辰さんは生死の境をさまよった。左手足に残る大きな傷跡と後遺症。事故以来「病気やケガで、妻や子どもた
ちに心配を掛けないように」という思いが常に心の中にあるという。
平日は学校、週末は部活動に精を出す孫たちが「おじい、おばあ」と声を掛け遊びに来てくれることが、何よりの喜びだ。
子ども八人、孫十八人、ひ孫九人。
(坂本慧) |