朝光さんは六十五歳で定年を迎えるまでの四十年間、沖縄本島で海運業に従事していた。
「子どもたちの成長と、沖縄に行ったときにおじいに会えるのが、何よりの楽しみだった」と話すチヨさん。
離れていても互いを信じ合い、励まし合ってきた二人。
近年、その理想の夫婦像が首都圏のテレビで放映され、孫たちから「まるで芸能人だね」と言われたことも。
健康の秘訣(ひけつ)はチヨさんが作る野菜たっぷりの料理。畑から取ってきたフーチバ(ヨモギ)のあえ物や、サツマイモと黒アズキで作ったンヌィは、近所でも評判の味だ。「たくさん作ってもみんなに配るから、次の日にはなくなるさ」とにっこり。
来月のミャークヅツには、遠く横浜で暮らす子どもや孫たちが一堂に集まる予定。
二人は「冷凍庫には豚一頭分の肉と、魚もたくさん準備した。後はみんなの笑顔がそろうだけ」と笑った。
子ども七人、孫二十四人、ひ孫十四人。
(坂本慧) |