八月踊りの会場で歌やはやしや手拍子と、身を乗り出して声援を送るシゲさん。「毎年この時期になると体がうずうずしてくるよ」と興奮気味に話す。女性が舞台に上がることを許可された年に舞台に立ち、キネツキおどりを踊った女性の一人だ。
若いころは子ども五人を育てるために、パン屋の手伝いや製糖工場の炊き出しなどに従事した。持ち前の人を引き付ける明るい笑顔と料理の腕で、どこへ行っても人気者だった。また、炊き出し所ではシゲさんが作るナスのフライが大好評で「今日はないのか?」と聞いてくる人も多かったという。「あれは思い出の味だね」とにっこり。
趣味はゲートボールで、自宅には数え切れないほどのメダルが並ぶ。適度な運動を欠かさず、めりはりのある生活を送る。「デイケアで元気の出る体操をしておいしい物を食べる。どれだけおしゃべりをしても昔の話しは尽きないよ」と笑った。
子ども五人、孫十三人、ひ孫十四人。
(坂本慧) |