前里添に生まれて八十年。ずっと伊良部島を見続けてきた。「近くの浜で小石を拾い姉とお手玉にして遊んだよ。今では景色もだいぶ変わったね」と話すのは現在の船着き場。ハルさんの目には幼いころの情景がよみがえる。
手先の器用さは健在。指先から色鮮やかなビーズ細工が見る見るうちに出来上がる。孫やひ孫にプレゼントをするのが楽しみだ。
二〇〇五年六月三十日に行われた「宮古地区レディースゲートボール大会」では、七十三チームの強豪ひしめく中、ハルさん所属の前里添Bチームが優勝した。沖縄県大会では常連で、一九九一年には全国大会にも出場した。「ゲートボールがある日は何をおいても出掛けていくよ」と後ろ姿は六十代。
老人クラブの役員も長年務め、名実共に地域行事にも貢献してきた。「忙しい日々を楽しむことが元気の秘訣(ひけつ)」とハルさんの笑顔が一段と輝く。
子供七人、孫二十二人、ひ孫五人。
(坂本慧) |