「思いをペンに託して」 伊良波ハチさん(82歳) 1924(大正13)年5月23日生まれ (平良字前里)
「手紙や作文を書くのが大好き。本土にいる友達や子どもたちに、近況を書いて知らせるのよ」と笑みをたたえる伊良波さん。心に浮かんだ思いや言葉を文字にするのが得意で、暇を見つけてはノートにしたためる。「夜、波の音を聞きながら、思いをペンに託して真っ白な紙の上に走らせていくの。心地よい時間の一つ」と表情をゆるめる。 若いころは、漁業で家を空ける夫の金三郎さんを支え、留守を預かり女手一つで子ども九人を育て上げた。子どもたちが成人し手を離れてからは、生活改善グループの会長を務めるなど、七十歳を過ぎるまで地域活動に貢献した。 現在は夫と二人で農業をしながら、孫たちの成長を楽しみに穏やかな毎日を送る。「孫が成人して結婚するまで、おばあは長生きするからね」と、柔和な表情と優しい語り口。日々幸せだ。 子供九人、孫二十八人、ひ孫十四人。 (具志堅千恵子)
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