長年「水道カニ」という愛称で親しまれている久高さん。水道が敷設されていないころに名付けられたと笑う。
伊良部島に水道が整備されていないころ、佐良浜地区の住民はサバ沖井戸で水をくんだ。井戸までの階段百二十二段を上ったり下りたりする姿を見て「生きるために水をくみ、難儀する人に心動かされた」と、ディーゼルエンジンを使って水をくみ上げることを提案。二十四時間体制で近くの小屋に常駐して日々の点検修理に対応し、水道が整備されるまで取り組み続けた。「僕がやったのはすごいことではない。難儀して水をくんでいた人が偉い」と謙虚な姿勢を崩さない。
現在は「作った野菜を近所の人や孫にプレゼントするのが楽しみ」と趣味の野菜作りに精を出す日々。「人の喜びを自分の喜びにすることが大事だよ」と穏やかに話す。
子供七人、孫二十二人、ひ孫二十一人。
(具志堅千恵子記者) |