「人生はこれからよ」

久高 正光さん(84歳)

1921(大正10)年7月3日生まれ

(伊良部字前里添)

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 長年「水道カニ」という愛称で親しまれている久高さん。水道が敷設されていないころに名付けられたと笑う。
 伊良部島に水道が整備されていないころ、佐良浜地区の住民はサバ沖井戸で水をくんだ。井戸までの階段百二十二段を上ったり下りたりする姿を見て「生きるために水をくみ、難儀する人に心動かされた」と、ディーゼルエンジンを使って水をくみ上げることを提案。二十四時間体制で近くの小屋に常駐して日々の点検修理に対応し、水道が整備されるまで取り組み続けた。「僕がやったのはすごいことではない。難儀して水をくんでいた人が偉い」と謙虚な姿勢を崩さない。
 現在は「作った野菜を近所の人や孫にプレゼントするのが楽しみ」と趣味の野菜作りに精を出す日々。「人の喜びを自分の喜びにすることが大事だよ」と穏やかに話す。
 子供七人、孫二十二人、ひ孫二十一人。

                                                       (具志堅千恵子記者)

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