  「喜ぶ顔が見たいから、てんぷらだって何だって作るよ。自分も好きでやっていることだからやめられない」と優しい笑顔が魅力的な島尻さん。みんなの笑顔を思い浮かべて作るという熱々のてんぷらは、周囲の人から「おいしい」と評判だ。「拝所にも持っていくよ。神様にもおいしい思いをさせたいから」と穏やかに話す。昨年、自宅周辺を訪れていた観光客に手作りのサタパンビンをプレゼントした。宮古を離れる日には、イモのてんぷらを作ってお土産に持たせた。後日、「温かくておいしいてんぷらをありがとう」と北海道から手紙が届いた。一緒に添えて送られてきたのは洋服。「笑顔見たさに作ったてんぷらだったのに、逆に私が笑顔になったさ」。 特別な日には、心のこもった洋服に身を包んで出掛けるのが楽しみだ。 子六人、孫十七人、ひ孫四人。 （具志堅千恵子記者） |