「おじいの三線に合わせて、二人で一緒に歌を歌うことが何よりの楽しみ」と両手に四つ竹を握り軽快なリズムを刻むツルさん。三線の音色と共に、二人の間には終始和やかな空気が流れる。
小学校の尋常科、高等科の仲良し同級生だった良治さんとツルさん夫妻。十八歳の時、戦争で離れ離れになるも、ツルさんは「マチューリヨ(待っていてよ)」という良治さんの言葉を信じて共に戦火の中を生き延び、終戦後結婚をした。
二人にとって思い出に残るのは、良治さんが宮古民謡コンクール大会で最高部門に合格したこと。「本番ではおばあだけを見て歌った」と良治さん。広いマティダ市民劇場の会場ですぐにツルさんを見つけ、落ち着いて演奏ができたという。
「若いころから二人仲良く、楽しく暮らしていることかな」と健康の秘訣(ひけつ)を話す良治さんの隣で、ツルさんも大きくうなずいた。
子供4人、孫9人、ひ孫7人。
(坂本慧) |