  「いつも感謝している」と話す武雄さんと、「これからも愛し愛されたい」と笑顔を見せるマツさん。長年の苦労を共にしてなお、互いを深く思いやるおしどり夫婦だ。孫たちが幼いころは、忙しくしているその両親に代わって日々の子守りを引き受け、たっぷりの愛情を注いだという。「『目に入れても痛くない』とはよく言ったもので、昔話を聞かせたり、アダンの葉で風車を作ったり、海に連れて行って貝を拾ったりといろいろなことをした」。マツさんがたくさんの思い出を振り返れば、「（孫が）陸上の選手になったときには、大会があるたびにどこまでもついて行って応援した」と武雄さんが笑う。 その孫たちも成人し、現在は「おじい、おばあ」と大切にされる幸せを実感する日々。二人で築いた家族の絆が、朗々たる老後生活につながっている。 子供二人、孫九人、ひ孫十一人。 （砂川智江記者） |