  手先の器用さを最大限に生かし、苧麻を紡ぐ仕事を楽しむ下地さん。換金によってさらに意欲は倍増、熟練の技がさえる日々だ。「人は死ぬまで勉強だよ。他人にできて自分にできないことはない、と思えば何でもできる」。気負いのない笑顔からこぼれるのは前向きな言葉ばかり。戦後の困窮時代も働き詰めの子育て時代も乗り越えてきた、強さとたくましさに裏打ちされた言葉だ。 若いころは、夫と協力して農業で生活を支えた。夫は20年前に他界したが「思いやりがあってよく働く人だった」と語る表情は幸せそうだ。 年を重ね、若いころのような体力はなくなったが愚痴をこぼすのは好きじゃないという。「良くも悪くも、人生は気持ち次第。与えられた運命を喜んで受け入れれば、楽しく生きることができるものだよ」。小さな体に、大きな自信がみなぎっている。 子供７人、孫12人、ひ孫10人。 （砂川智江記者） |