愛情パンで島の子育てる

池城 富(とみ)さん(82歳)
 1923(大正12年)2月10日生まれ

(多良間村字仲筋)

ganzurogo.tif (147800 バイト) 島唯一のパン屋として、学校給食のパンを作り続けてきた池城さん。今ではパン作りはやめ、雑貨店を営んでいる。店は「池城商店」だが島の人たちからは今でも「パンヤー(屋)」と呼ばれている。
 学校給食が始まったころ島にパン屋がなかったため、沖縄本島で修業を積み技術を身に付けた。まだ電気がなく、ランプの下で生地をこね、かまどで1日約800個のパンを焼き上げた。首を長くして待つ子供たちのため学校までリヤカーで届けたという。
 引退した今は、店を手伝いながら客とのおしゃべりに花を咲かせる。「頭を使わなくなるから」とレジは使わず、会計はソロバンで。趣味の琉舞が毎日の楽しみだ。「私が元気なのは子や孫たちが何の心配もさせずに育ってくれているから。だから、今も心配ごとは何もないのよ」と見せるおだやかな笑顔には、多良間の子供たちを育てたぬくもりが漂っていた。
 子供4人、孫12人、ひ孫1人。
                                               
                                                
(山里勝美記者)

 

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