「苦労したけどね、８０を迎えた今、一生懸命に生きてきたという自信はあるよ」と、穏やかな笑みをたたえる下地さん。離れて暮らす孫たちには「１にも２にも健康を大切にして、一生懸命働いてほしい」と重みあるメッセージを送る。
　終戦後から本土復帰までは、２４年にわたり軍政府で勤めた。高等弁務官が来島する際には、米国旗と日の丸が翻る黒塗りの専用ハイヤーを運転したという。「白い手袋をはめてハンドルを握って、なかなか派手だったよ」と、当時を振り返る表情は明るい。
　子供たちはとうに独立し、現在は妻のマツさんと夫婦２人の生活に戻った。「何でも知り尽くしている仲だからね、けんかしても漫才みたいで楽しいよ。どちらかが嫌な思いをしないように、平和に水平にね」と、優しい笑顔をのぞかせた。
　子供４人、孫５人、ひ孫３人。

　　　                                                    （砂川智江記者）