「命を大切にして」 山里 景福(けいふく)さん (80歳) 1924(大正13年)9月25日生まれ (平良市荷川取)
台湾の高校在学中に徴兵され、海軍兵として戦争を体験した。ある時、下関近海で機雷が爆発。スクリューが破壊した乗船はみるみるうちに海へ沈み、船首から無我夢中で海へ飛び込んだ山里さんは幸運にも命を拾ったという。「本来なら先祖を拝み、親の顔を見てから出兵したかったのに、それが出来なかったから何が何でも生きて帰らなければならなかった」と振り返る。 戦後、沖縄へ引き揚げる際には、大波の上で木の葉のように揺れる船内でたまたま乗り合わせていた女性が出産、新たな命の誕生を目の当たりにしたこともあったという。 「誰の命も何より重い。すべての人に、特に現代の若い人たちに命を大切にしてほしい」と言葉を添える。 現在は、カラオケでストレスを発散しグラウンドゴルフで運動する穏やかな毎日。「2つの趣味のおかげで心身共に元気ですよ」と優しい笑顔を見せた。 子供2人。 (砂川智江記者)
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