「歌えば心が開く」

砂川 恵一(けいいち) さん (85歳)
 1919(大正8)年10月10日生まれ

 城辺町福里

ganzurogo.tif (147800 バイト) 20歳のころ第2次世界大戦に出兵し、シンガポールの地上戦で右腕を失った。命を落とした戦友を思えば、命を残して郷里に帰り、子や孫に恵まれた幸運に感謝しているという。
 27歳で帰郷。行商をしながら畑を購入して一心不乱に働いた。左手だけでかまを持ちくわを振り上げる農作業は過酷を極め、中には冷たい視線を注ぐ人もいたが、持ち前のアララガマ根性で踏ん張ったという。一人っ子の寂しさから「兄弟は多い方がいい」と7人の子をもうけ、現在は家族が集まる盆や正月が最も幸せを感じる時だ。
 「言い尽くせないくらいたくさんのことがあったけど、今は楽しくて仕方がない」。近ごろ夢中になっているのは、デイサービスのカラオケ。「歌を歌うと心が開く」。友人にもしきりに勧める。十八番は、北島三郎の「年輪」だ。
 子ども7人、孫8人、ひ孫1人。

                                              (砂川智江記者)
  

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