男１人、女４人の５人きょうだいで育ち、父が病死、兄が若くして戦死してからは姉妹が力を合わせて生活を支えたという。農耕馬を使って草を刈り、畑を耕す忙しい毎日だったが「働くことは当たり前のこと。若くて体力もあったから大変だと思ったことはなかった」と振り返る。
　結婚後も野菜やサトウキビ、イモを栽培し、農業に汗を流した。「農業は子供のころからやっている得意分野。それでお金を稼ぐことができたのだからありがたいよ。農業は人生を支えてくれたとても大切な仕事」と前向きな言葉に苦労の影はない。
　現在はデイサービスでゆったり過ごすひとときが最も楽しいという。「近くに暮らす子供や嫁たちが何かと協力してくれるから安心。自分の時間もたくさんあって、今が一番楽しいよ」と笑顔で話す。「この楽しさを思えば、やっぱり自分の人生を苦労の人生とは思わない」と柔らかな表情を見せた。
　子供７人、孫10人。

　　　                                            （砂川智江記者）