「アダン葉ぞうり」作りの達人、塩川さん。男性用、女性用の実用品から、お守りとしてのミニチュアまで一つひとつ手作りで仕上げ、空港売店などで販売する。
子供の頃、親戚のおじいさんの手わざを観察していたという。大人になってからはすっかり忘れていたが、70歳を過ぎてふと思い出し、初めてのアダン葉ぞうりに挑戦。記憶をたどって作り始め、試行錯誤を重ねて完成した。「いつまでに何個作ろう、と常に計画があるから毎日楽しいよ」と退屈知らずだ。
愛用者からお礼の電話がかかることも。「人からありがとう、と言われたら嬉しくてますます楽しい」と満面の笑顔。妻のタケさん(81)もアダン葉ぞうりを愛用する
1人で「出掛けるときはいつもこれ。軽くて上等よ」とにっこり笑う。
「嫁いだ娘たちは親の歳を心配しているようだが、気持ちは若いときと何も変わらない」と充実した毎日だ。
子供3人、孫7人、ひ孫2人。
(砂川智江記者) |