若い頃に経験した苧麻績みを、今年の年頭から再び始めたという砂川さん。「ボケ防止にと思って始めたけれど、やってみたら昔の勘がよみがえってとても面白い。やりがいがあるよ」と、手練れの技を生かし、細やかな手仕事に夢中になって取り組んでいる。
娘時代には女中奉公に出て、毎日のように仕事に精を出したという。「年ごろには、きれいな服を着てみたいとあこがれることもあったけど、時代が時代だからそうもいかなかった」と、苦労を重ねた若いころを振り返る。6人きょうだいの二女として生まれたが、長女は早くに嫁いだため気持ちはいつも長女のようだったという。「きょうだいの中でも親孝行はたくさんしたんじゃないかな」と胸を張ってにこやかに笑う。
「今はずいぶん安定して、安心して毎日を送ることができる。これは本当に幸せなこと」。明るい笑顔を一層輝かせて話した。
子供5人、孫15人、ひ孫3人。
(文・写真 砂川智江) |