毎年、トライアスロン大会がやってくるたびに、1人の選手に焦点を絞る応援スタイルで大会とかかわる新城さん。今年は初出場の地元女性選手に注目。心から完走を願い、手に汗握って声援を送ったという。
「初出場でゼッケンナンバーも最後の方だったから、きっと度胸1つで出場したに違いないと思った」。愛車のオートバイでランコースへ出掛け、選手が現れるのをじっと待っていたという。「苦しそうに走ってきたときはただ頑張れ、の気持ちで涙が出た。翌朝新聞の完走者欄で名前を見つけたときは本当にうれしかったよ」と笑顔で振り返る。
「『負けない』の気持ちで力を尽くすスポーツ精神は人生のすべてに通じるものがある。その大切さは孫たちにも伝えてきたよ」。若いころには戦火をくぐり、貧しい時代も強く生き抜いた大きな力が「頑張れ」の声援に込められていたのかもしれない。
子供5人、孫14人。
(文・写真 砂川智江) |