ゲートボールが何よりの楽しみという砂川さん。「敵の球をタッチして、うまくアウトにしたときはうれしいねぇ。これがあるからやめられない」と、穏やかな表情をさらに緩める。
キビから徐々に転換した葉タバコ栽培は、三男の三男(みつお)さんが継ぎ、おかげで安心して大好きなゲートボールに打ち込むことができる。「農業は、収穫の喜びがあるから頑張れる。息子が継いでくれたのはやはりうれしかったよ」と笑みをこぼす。
若いころは季節工や漁業に出向き、家を空けることも多かった。それも一家の大黒柱だからこそ。故郷で帰りを待つ妻の梅さんと、6人の子供たちへの思いが大きな支えだった。「夫婦で協力してよくやってきたと思う。これからが
2人ともそれぞれ好きなことを楽しんで、のびのび暮らすチャンスだね」と、梅さんへの温かな気持ちを示し、優しい笑顔を浮かべた。
子供6人、孫10人。
(文・写真 砂川智江) |